石倉洋子のグローバル・ゼミ

Major Issues on the Global Agenda

5人のゲスト講師とディスカッションする、5つのトピック

05 : 環境 ~ Challenging climate change

ゲスト講師 WWF(世界自然保護基金)ジャパン 山岸尚之

※テーマや講師については、一部変更になる場合もございます。

  

1997年に京都で開催された国連気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)。COPは地球温暖化問題について国連の条約の下で毎年行われる国際交渉の場です。その第3回の京都会議で、初めて温暖化防止のために先進国が温室効果ガスの削減を約束した「京都議定書」が採択されました。

当時、京都にある立命館大学の学生で研究テーマを模索中だった山岸氏は、画期的な成果を生んだと世界中の注目を集めた京都会議の影響で「地球温暖化問題と国際政治」に関心を持つようになります。米国留学を経てWWFに飛び込み、当初の志の通り一貫して気候変動問題に取り組む山岸氏。

スイスに本部があるWWF(世界自然保護基金)は、環境保全団体として世界約100カ国で活動しており、日本を含む50カ国に拠点を置く国際環境NGOです。1961年に野生生物を救うことからスタートしたWWFですが、野生生物を救うために必要な自然環境や生態系を守るためにその活動の範囲は広がり、温暖化を含むあらゆる環境問題が対象となっています。

現在、環境といえば温暖化問題が最も注目を集めており、WWFジャパンの気候変動問題担当職員として、山岸氏の活動はNGOという立場を基点にあらゆるレベルに広がっています。国連やサミットなどの世界各国で開催される国際会議への参加、国会議員を対象にした勉強会での講演、政府への政策提言など、世界を舞台に政策レベルで精力的に活動。また、経済産業省の温暖化に関する研究会の委員を務め、行政の政策の中枢で積極的に発言しています。

もちろん、市民の勉強会やイベントにおいて草の根レベルで一般の人々に温暖化問題の重要性をアピールすることも彼の重要な仕事の一つ。新聞・雑誌などの温暖化問題の取材でもコメントを求められるなど、NGOのスペシャリストとして活躍しています。
ゼミのセッションでは、山岸氏がグローバルな視点からの地球温暖化問題と国際社会の複雑な動きについて解説します。

2009年12月にコペンハーゲンで行われるCOP15は京都議定書の削減対象期間(2008年~2012年)以降の各国の具体的な対策について決める重要な会議となります。NGOとして参加する山岸氏に、最前線で見てきた国際交渉のプロセスや、鳩山由紀夫総理の「25%削減」宣言を日本はどのように実行するべきなのかについても伺いながら、ゼミ生とディスカッションを行います。

Message from the guest speaker


 
私が取り組んでいる「気候変動/地球温暖化」という問題は、まさしくグローバルな問題であり、世界中での取り組みが必要とされています。関わる分野も、科学・経済・社会・政治・倫理と多岐に渡り、問題の複雑さに時として圧倒されそうになります。しかし、それは同時に、様々な分野からのアプローチが可能であるエキサイティングな分野とも言えます。

私は、国際環境NGOの一員として、主に「政策」と「国連交渉」の2分野についてこの問題に関わってきました。この問題の概要と同時に、その経験の中で得られた私なりの「グローバル・アジェンダ」への考え方などもお伝えできればと思います。

またWWF という環境NGOは、国連会議などの国際会議の場では出身国20カ国以上50名近くのメンバーが集結してチームとして働く特異な“職場”でもあります。そうした場での経験・苦労などもお話できればと思っています。

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