石倉洋子のグローバル・ゼミ

Major Issues on the Global Agenda

5人のゲスト講師とディスカッションする、5つのトピック

01 : 食 ~ Addressing the global food problem

ゲスト講師 TABLE FOR TWO事務局長 小暮真久

写真提供:TABLE FOR TWO
※テーマや講師については、一部変更になる場合もございます。

  

小暮氏が事務局長を務めるTABLE FOR TWO(TFT)は開発途上国の飢餓と先進国の肥満や生活習慣病に同時に取り組む、日本発の社会貢献運動です。

世界67億の人口のうち、10億人が開発途上国で飢えに苦しんでいると言われています。その一方で、先進国では約同数の10億人が食べ過ぎによる肥満や生活習慣病に苦しんでいます。この食の不均衡を解消するために2007年に日本で始動したTFTは、国内では既に120を超える企業・団体・公官庁が参加するプログラムに拡大しました。今後は、徐々に世界へと展開を広げていくことを目指しているといいます。

TABLE FOR TWO(直訳すると「2人の食卓」)のコンセプトは、先進国と開発途上国の人たちが時間と空間を越えて食を分かち合うというもの。企業や団体の食堂やスーパーマーケット、カフェなどで対象となる定食や食品を購入すると1食につき20円がTFTを通じて開発途上国の学校給食に寄付される仕組みです。

対象となるメニューや食品は、カロリーが抑えられており、バランスの取れたヘルシーな食事であることが求められます。

20円というのは開発途上国での給食1食分にあたることから、先進国で1食購入するごとに開発途上国に1食贈られるというシンプルで分かりやすい枠組みとなっているのです。

また①支援する側とされる側の双方にとっての健康を目指せる、②誰でも対象食品を購入することで参加できる、③毎日食事をする中で無理なく気軽に参加できる、という明快さが多くの企業や団体に受入れられる要素となっているようです。

このTFTの構想は、世界経済フォーラムが選出するヤング・グローバル・リーダー(YGL)たちの会合の場で日本人のYGL6人によって2006年に考案されました。

その後、「人の命に関わる仕事がしたい」、「社会のために自分のスキルを役立てたい」との想いを持っていた小暮氏が、知人から請われて事務局長に就任。

それから数年でここまでTFTのプログラムを拡大させてきた小暮氏に、これまでの取組み、拡大の経緯、海外での展開、今後の課題と展望について伺います。

ゼミ生は小暮氏のインプットを受けて、世界規模の課題としての「食」をテーマにグループディスカッションで問題特定、解決に向けての対策を考案し、プレゼンテーションすることによって提案をしていきます。

Message from the guest speaker


(c)大崎聡
 
現在、世界には地球温暖化、貧困や格差、紛争やテロなどの地球規模の課題が数多く存在します。

グローバル化が進み、国境を越えて資本や情報が往来する現代においては、これらの世界的な課題はもはや国単位の取組みでは意味をなさず、国や政府といった既存の枠組みを越えて解決をする必要があります。

こういった社会問題に光を当て、解決策を模索し、人類全体が幸せになる方向性に国や人々を導くのが社会事業だと思います。

世界の食の不均衡という課題に取り組むTABLE FOR TWOの活動内容や、今後の展望などについてご理解いただきながら、皆さんとともに、地球規模的課題への問題意識を高めたいと思っております。

普段の生活で身近な「食」というテーマを世界という大きな視野から見ることによって、今まで見えなかった問題を発見し、新たな発想を得ませんか?

今後、「日本人として取り組めることは何か」をゼミに入られた皆さんと一緒に考えていきたいと思っております。

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