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石倉洋子のグローバル・ゼミ

Major Issues on the Global Agenda

5人のゲスト講師とディスカッションする、5つのトピック

02 ： 人権 ～ Defending human rights

ゲスト講師　ヒューマン・ライツ・ウォッチ東京ディレクター（日本代表）／弁護士　土井香苗

※テーマや講師については、一部変更になる場合もございます。

　　

「人権は大切だ」ということは誰もが共通して認識していることです。日本にいるとそれは当然のことのように思われるかもしれません。しかし、世界には裁判所が機能せず、人権弾圧が日常的に行われている国・地域が存在しています。

ゲスト講師の土井氏は、世界の人権状況を改善させるために活動している国際人権NGOヒューマン･ライツ･ウォッチ（HRW）の日本代表を務めています。

設立から30年経つHRWは、ニューヨークに本部があります。約80カ国に調査員を派遣して、紛争地域や独裁政権下での人権状況の調査結果を公表し、advocacy（政策提言）によって国際世論に働きかけてそれらの国々・地域で人権弾圧をなくすために活動しています。

ジャーナリスト、学者、弁護士などの専門家をスタッフとして雇うことで、HRWの活動は単なるボランティアではなく、実際に一国の政府を動かすプロフェッショナルNGOとして世界では注目されています。

土井氏は大学時代に単身でアフリカのエリトリアに渡り、刑法を作る仕事や難民支援に携わりました。それがきっかけで、世界中で紛争や拷問、拉致などで苦しんでいる人がいることを知って、自分に何かできるのではないかと考えてきたといいます。その後ニューヨークに留学した際に、HRWに入ることになった土井氏。彼女の活動はHRWという組織に入るだけに止まりません。

日本は経済力・ビジネス面で大きな影響力を持つので、その影響力を世界の人々が尊厳を持って生きていけるために使って欲しいと土井氏は考えます。日本として何ができるのか、という気持ちが募り、日本にHRWのオフィスを開設することを考案し、そのために尽力してきました。そして遂に、2009年4月にHRWとしては14番目のオフィスとなる日本オフィスを東京に開設することになったのです。

土井氏のセッションでは、世界の人権状況や日本の関わり方、HRWの活動についてご説明いただきます。また、日本オフィスが開設されてからの活動や行政への働きかけによってどのような変化が起きているか、生の声をお伝えいただきながら、ゼミ生とともにディスカッションを行います。

Message from the guest speaker


　
国際連合の三本柱は、安全保障と開発、そして人権。世界経済フォーラムが主催するダボス会議でも、毎回、タイムリーな人権危機のセッションが開かれ、ヒューマン・ライツ・ウォッチの最高責任者（CEO）であるケネス・ロスもダボスの常連としてそのときどきの人権状況について発言しています。

グローバルな人権危機は、政治リスク、安全保障リスク、ビジネスリスクを生み出します。だからこそ、グローバルリーダーたちは、常に人権危機に関心を寄せているのです。日本は世界の人権状況を改善させるだけのポテンシャルはあるはずですが、その姿は国際社会ではなかなか見えてきません。今後、日本はどうすればいいのか？皆様とのディスカションを楽しみにしています。

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