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無料で学べる「オープンエデュケーション」がもたらす人材革命

~ウェブで教育の機会が世界に開かれる意味:飯吉透×石倉洋子~

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更新日 : 2012年08月23日 (木)

第9章 21世紀をサバイバルするには「学び続ける力」が必要

石倉洋子(慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 教授)(左)飯吉透(京都大学 高等教育研究開発推進センター 教授)(右)

石倉洋子: 今、雇用が世界の大きな問題になっています。失業率が高い国がたくさんある一方で、スキルを持つ人材が不足している職もたくさんあって、世界レベルでミスマッチが起きているんです。

これは言い換えると、今まで教わったことは、これからはあまり役に立たないということです。だから「大学で4年間勉強して終わり」ではなく、常に学び続けることが大事なんです。今は「学んで、働いて、リタイアする」ではなく、「学んで働いて、学んで働いて、リタイアして働いて」という時代です。

そういう意味においても、オープンエデュケーションは素晴らしい機会です。大学に入り直すとなると、お金もかかるし、家族が路頭に迷うことになる。でもオープンエデュケーションなら、そういう心配がなく、いろいろなことにチャレンジできます。

私がメンバーとしてここ4年ほど活動している世界経済フォーラムの委員会で「21世紀に必要なスキルや知識は何か?」というディスカッションをすると、最終的には「学び続ける力が一番大事だ」という結論に行き着きます。オープンエデュケーションがなければ、私たちは学び続けられなくて、仕事がなくなったり、もっとおもしろい仕事ができなくなる。自分の価値を高め、仕事をして生計を立てていくためには、学び続けることが必要なんです。

ただし、先を見ないで勉強しても資格を取っても「So what?」と言われるだけなので、「次にもっとおもしろいことをするために」ということが大事だと思います。(終)

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関連書籍

『ウェブで学ぶ~オープンエデュケーションと知の革命~』


『ウェブで学ぶ~オープンエデュケーションと知の革命~』


梅田望夫,飯吉透
筑摩書房

『グローバルキャリア~ユニークな自分のみつけ方~』

石倉洋子
東洋経済新報社

『世界級キャリアのつくり方』

黒川清,石倉洋子
東洋経済新報社


該当講座

オープンエデュケーションがもたらす人材革命

~ウェブによって世界中の人々に教育の機会が開かれる意味~

オープンエデュケーションがもたらす人材革命
飯吉透 (京都大学 高等教育研究開発推進センター 教授)
石倉洋子 (一橋大学名誉教授)

飯吉 透(京都大学 高等教育研究開発推進センター 教授)
石倉 洋子(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授)
全世界に広がるオープンエデュケーションを巡る動きを解説し、これからの教育、個人のキャリア構築がどのように影響を受けるのかを考察します。また、グローバル人材の育成が急務と言われる中、日本人はオープンエデュケーションを具体的にどのように活用していけばいいのか、議論します。


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