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無料で学べる「オープンエデュケーション」がもたらす人材革命

~ウェブで教育の機会が世界に開かれる意味:飯吉透×石倉洋子~

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更新日 : 2012年08月20日 (月)

第7章 やりたいことがあれば、英語の壁は越えられる

石倉洋子(慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 教授)(左)飯吉透(京都大学 高等教育研究開発推進センター 教授)(右)

石倉洋子: きょうは「オープンエデュケーションを個人としてどう使えばいいか」ということに興味のある方が多くいらっしゃっています。これに対しては、どうお答えになりますか?

飯吉透: きょうは直球で勝負しようと思い、オープンエデュケーションをどんな人が、どんな思いでやっているかについてお話ししました。このような生き方こそが、グローバル人材のマインドそのものだと思ったからです。

皆さんがご自身の学びに役立つコンテンツを見つけることは、そんなに難しいことではないと思います。そもそもリソースガイドをつくろうとしても、あまりにもニーズも目的も多様化しているので一般的にやろうと思っても無理なのです。だからきょうは、マインドに火を付ける話をしました。

石倉洋子: なるほど。確かに今ほどいい時代はないですよね。『世界級キャリアのつくり方』を黒川清さんと書いたのは2006年のことですが、先日オーディオブック版が出たのを機にお会いしたとき、「大学や政府が何かするのを待つ必要はない。その気になれば個人で何でもできる時代になった」という話になりました。

ただ、皆さんを見ていると、始めの一歩が踏み出せないのかな、という気がします。例えば、きょうご紹介いただいたサイトは、ほとんどが英語ですよね。英語に対して「ちょっと難しいから避けたいな」というメンタルブロックがあると、いつまでたってもハードルを超えられないと思うのです。これはどうすればクリアできると思われますか?

飯吉透: 僕自身の話をすると、中学・高校の6年間、英語は常に赤点でした。英語は死ぬほど嫌いで勉強もしなかったのです。だから大学入試のときは本当に苦労しました。そんな状態でアメリカの大学院に進んで、初日はニューヨーク生まれの先生の話が一言もわからなかったという苦い思い出もあります。それが今では……実は今も英語はあまり上手じゃないし、いい加減だったりするのですが、大事なのは「何がしたいか」です。

僕はアメリカに行って「新しいことを学びたい」という気持ちが強かったのです。情熱が肥大してスピードが加速すると、英語なんて、付いて来ざるを得ません。「まずは英語をやらないと、次に進めないな」と考えていたのでは、いつまでたっても先に行けない気がします。

石倉洋子: 確かにそうですね。哲学者の木田元先生から「ハイデガーの『存在と時間』を原文で読みたい」という気持ちだけで、ドイツ語を3カ月でマスターしたというお話を聞きました。「やれ」と言われてもできないけれど、「これがしたいから、これをやる」ならできますね。

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関連書籍

『ウェブで学ぶ~オープンエデュケーションと知の革命~』


『ウェブで学ぶ~オープンエデュケーションと知の革命~』


梅田望夫,飯吉透
筑摩書房

『グローバルキャリア~ユニークな自分のみつけ方~』

石倉洋子
東洋経済新報社

『世界級キャリアのつくり方』

黒川清,石倉洋子
東洋経済新報社


該当講座

オープンエデュケーションがもたらす人材革命

~ウェブによって世界中の人々に教育の機会が開かれる意味~

オープンエデュケーションがもたらす人材革命
飯吉透 (京都大学 高等教育研究開発推進センター 教授)
石倉洋子 (一橋大学名誉教授)

飯吉 透(京都大学 高等教育研究開発推進センター 教授)
石倉 洋子(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授)
全世界に広がるオープンエデュケーションを巡る動きを解説し、これからの教育、個人のキャリア構築がどのように影響を受けるのかを考察します。また、グローバル人材の育成が急務と言われる中、日本人はオープンエデュケーションを具体的にどのように活用していけばいいのか、議論します。


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