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無料で学べる「オープンエデュケーション」がもたらす人材革命

~ウェブで教育の機会が世界に開かれる意味:飯吉透×石倉洋子~

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更新日 : 2012年08月21日 (火)

第8章 「ちょっとやってみようかな」という軽い気持ちでOK

石倉洋子(慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 教授)

石倉洋子: 私は去年(2011年)4月、慶應義塾大学大学院のメディアデザイン研究科に移りました。これは2008年にできた新しい大学院で、テクノロジー、デザイン(デザイン思考)、マネジメント、ポリシーの4つの分野を融合し、4つの力を持つ人材を育成しています。私は以前からデザイン思考に興味があり、また「テクノロジーを知らずして事業戦略は考えられない」と思っていたので移ったのです。

ここで最初に何をしたかというと、修士の1年生が受講する基礎クラスを全部受けてみました。そうしたら、テクノロジーがほとんどわからなかったんです。プログラミングなんて全然わからない。教則本を買って独学もしたのですが、それでもわからないところがあって困り果てていたとき、私の友人が「ドットインストール」という初心者向けのプログラミング学習サイトを無料で始めました。http://dotinstall.com/

試しにやってみたら、これが結構おもしろくてね。1つの動画が3分で、全部で約1000本あるのですが、どれも画像だけでなく、ちゃんと声で解説してくれるんです。しかも週に1回ぐらい「あなたは今週、こんなレッスンを何本やりました」というレポートが来たり、「新しいレッスンが追加されました」というお知らせが来たり。こういうのが来ると「やらなきゃ」と思うんですよ。ドットインストールのおかげで、プログラミングが少し身近になってきました。

こういうふうに「ちょっとやってみる」というのが、とても大事だと私は思っています。

飯吉透: 確実に、情熱と狂気のオーラが出ていますよね(笑)。「事業戦略のプロが、プログラミングの初歩を学ぶか!?」って驚いてしまいますが、楽しそうに話されているのを見ると、学ぶプロセス自体も楽しまれていることがよくわかります。グローバル人材というのは、「何かに興味を持って、グイグイそこに行く人」ですよね。

そういう人にとって、オープンエデュケーションは非常にいい環境なのです。いろんな講義や教材が無料で提供されているのですから、本当に素晴らしい時代になったと思います。

石倉洋子: そうですね。「こういうことをやりたいな」と思ったら、ちょっと探せばいいものが見つかります。あまり大げさに考えないで「ちょっとやってみようかな」という感じでやってみればいいんですよね。もちろん、中には難しくてついていけないものもありますが、ちょっとやってみると、その楽しさがわかります。

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関連書籍

『ウェブで学ぶ~オープンエデュケーションと知の革命~』


『ウェブで学ぶ~オープンエデュケーションと知の革命~』


梅田望夫,飯吉透
筑摩書房

『グローバルキャリア~ユニークな自分のみつけ方~』

石倉洋子
東洋経済新報社

『世界級キャリアのつくり方』

黒川清,石倉洋子
東洋経済新報社


該当講座

オープンエデュケーションがもたらす人材革命

~ウェブによって世界中の人々に教育の機会が開かれる意味~

オープンエデュケーションがもたらす人材革命
飯吉透 (京都大学 高等教育研究開発推進センター 教授)
石倉洋子 (一橋大学名誉教授)

飯吉 透(京都大学 高等教育研究開発推進センター 教授)
石倉 洋子(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授)
全世界に広がるオープンエデュケーションを巡る動きを解説し、これからの教育、個人のキャリア構築がどのように影響を受けるのかを考察します。また、グローバル人材の育成が急務と言われる中、日本人はオープンエデュケーションを具体的にどのように活用していけばいいのか、議論します。


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