記事・レポート

ミサコ・ロックス!が体現するアメリカン・ドリーム

米国発、オンリーワンの日本人漫画家が切り開くティーンコミック市場

更新日 : 2010年09月01日 (水)

第2章 執念とプレゼン力で、憧れのアメリカ行きを実現

ミサコ・ロックス!氏

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ミサコ・ロックス!: 私は気が強くて、同級生たちとケンカをするような子どもでした。小さいときからベジタリアンだったので、周りから「偏食する子」と見られて、なじめなかった部分もありました。そのとき、衝撃的な出会いをしたんです。私は神と崇めているんですけど、映画『グーニーズ』と、マイケル・ジャクソンと、マイケル・J・フォックスとの出会いです。

『グーニーズ』はインターナショナルな子どもたちが自転車で駆け巡って宝を探すというストーリーが衝撃的で、観終わった後、「なんで日本って、日本人しかいないの!?」という感じになっちゃったんです。本当にカルチャーショックを受けました。

マイケル・ジャクソンには、「こんなエンターテイナーがアメリカにはいるんだ! アメリカってすごい!」という衝撃を受け、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマイケル・J・フォックスには一目ぼれ。12、3歳の頃、ラブレターを日本から書いて送りました。まだ返事はきていませんけど、諦めていませんよ(笑)。

この出会いが私の思春期時代の価値観を変えました。それでどうすればアメリカに行けるのか考えて、「留学すればいいんだ」と思ったんです。当時、私はまだ中学生でしたが、法政大学に派遣留学生という奨学金をもらいながら留学できる制度があるのを知り、頑張って法政大学に入って留学しました。ただ、派遣されたのは希望していたニューヨークやLAではなく、ミズーリ州。映画で観ていたカッコイイ、オシャレなアメリカじゃなくてド田舎たったので、そこでまたカルチャーショックです。

そこはアジア人がほとんどいない街だったので、すごく人種差別を受けました。それから、アジア人の留学生って固まっちゃう傾向があるので、その輪から出るのも大変でした。でも私はシャイじゃないので、ガンガン出ていっていろんな国の友達をつくりました。そこに住んだことで人生観が変わりました。

その後、法政大学に戻って就職活動をしていたとき、劇団四季の『ライオンキング』というミュージカルを観て感銘を受けて、「私、これをつくりに留学したい!」とまたなってしまったんです。

でもお金もないし、もうすぐ卒業だから、さすがにまずい……と思ったんですけど、「そうだ、インターンで行けばいいんだ」と気づいたんです。というのは、アメリカの学生は就職活動というのをしないんです。その代わり、インターンやボランティアをたくさんやって、履歴書にみっちり書けるように頑張るんです。

それで私もインターンで修行しようと思って、ニューヨークのストリート・シアターを見つけました。ビザを取得するのが大変でしたが、持ち前の執念と大好きなプレゼンで、青山にある国際教育機関に何回もお邪魔して、「(ビザを取得できるように)スポンサーになってほしい」と頼み込んで、なってもらいました。

でもこの後、「私、何をしにニューヨークに来たんだろう?」と、初めての挫折を経験しました。

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Misako Rocks!/高嶋美沙子 (コミック・アーティスト)
西川英彦 (法政大学 経営学部 教授)

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西川 英彦(法政大学教授)
日本から「輸出」されたアニメ、マンガではなく、アメリカを舞台にアメリカ人の登場人物を描く「純アメリカ産・マンガ」を創作するミサコ氏。米国のティーンコミック市場を切り開き、アメリカ発・唯一の日本人漫画家として独自の地位を確立した彼女に、アメリカのコミック市場の現状・特性や「日本オタク」の生態から現代のティーンの事情まで伺う貴重なセッションです。日本のソフト・パワーの動向に関心のある方にもお勧めです。


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