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チャイナ・フリー 中国製品なしで暮らす1年間

~今求められる消費者の品格~

BIZセミナーその他
更新日 : 2009年05月19日 (火)

第14章 日本の親は、子どもが欲しがるものを何でも買い与えてしまう

『チャイナフリー』の著者、サラ・ボンジョルニさん
サラ・ボンジョルニ: 私たちは2人とも、「価格が安くなると消費しやすくなる、ものを買いやすくなる傾向がある」と言いました。先生は、日本の家庭における親と子どもの関係が、どちらかというとエンターテインメントに近くなっているとおっしゃったのですが、そういったことは日本のスタイル、特にお母さんにどういう影響があるでしょうか。

坂東眞理子: 直接的には中国との関係ではないですけれど、ものが豊かになって、何でも買えるようになって、日本の母親と子どもの関係は随分変わったのではないかと思います。昔は日本でも、子どもにいくら買ってあげたくても、親はお金がないから買ってあげられなかった。だから「我慢をしなさい」ということをよく言いました。「欲しいものが全部手に入るわけではないよ、兄弟と分けなさい」と。あるいは「兄弟のお古で我慢しなさい」というのが一般的でした。

今の日本は子どもの数が減っていて、比較的裕福な人が増えているということもあって、子どもたちが欲しいと言うものは買ってあげなければならないと思っている親、子どもの要求にすぐにこたえてしまう親が大変増えているような気がします。

ですから、サラさんが「チャイナフリーの生活をする」と宣言をして、子どもたちと夫を自分の意思に従わせるというのは、日本の主婦とは比較して、大変主婦の家庭内ガバナンスが強いなと思いました。

サラ・ボンジョルニ: 私の息子は、私のことを「単に意地悪だ」と言うと思うのです。私が子どものころの写真を見ると、家の中が非常に簡素でシンプルなんです。床の上にも何も置いてなくて、「なぜ、お母さんはこんなにきれいにできたんだろう」と思うわけです。それに比べると、私の家の中にはたくさんのものがあふれています。物理的な違いがあったり、家の見方というものが過去とは全然違ったりすると思います。

坂東眞理子: 子どもを育てていると、本当にもので溢れるという感じですね。子どもたちにものを少ししか与えない、自分の欲望をコントロールさせる、我慢をする経験を積ませるということが教育のディシプリンとして、もっと日本の家庭で必要とされているのではないかと思います。

サラ・ボンジョルニ: その通りだと思います。でも、「だめ」というのは非常に難しいのです。
(その15に続く、全15回)

※この原稿は、2008年7月10日にカデミーヒルズで開催した「チャイナ・フリー 中国製品なしで暮らす1年間~今求められる消費者の品格~」を元に作成したものです。尚、サラ・ボンジョルニのスピーチは英語で行われたため、翻訳しています。

関連書籍

チャイナフリー—中国製品なしの1年間

ボンジョルニ,サラ, 雨宮 寛, 今井 章子
東洋経済新報社

チャイナ・フリー 中国製品なしで暮らす1年間 インデックス

該当講座

チャイナ・フリー 中国製品なしで暮らす1年間
今求められる消費者の品格
Sara Bongiorni (ジャーナリスト)
坂東眞理子 (昭和女子大学学長)
雨宮寛 (コーポレートシチズンシップ代表取締役)
今井章子 (コーポレートシチズンシップ取締役)

中国——この急成長を遂げる屈指の製品輸出国ほど、21世紀のグローバル経済が引き起こす功罪に深く関わっている国はないでしょう。中国製品には、安心・安全、環境問題、格差問題、資源獲得競争、少子高齢化など、世界の多くの国が共有する社会問題が凝縮されているといってもいいでしょう。しかし、私たちはそうした問題....


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