記事・レポート

突き抜けるアート ~社会と人をつなぐもの~

変容するアートが人を変え、世界を変える:猪子寿之×津田大介

更新日 : 2015年12月02日 (水)

第1章 スマホで飾り付ける“動く光の彫刻”

各分野のスペシャリストで構成するウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」。新たな表現の可能性を広げるべく、サイエンス、テクノロジー、アート、デザインなどの境界線をあいまいにしながら、人々に驚きと感動をもたらす作品を創造し続けています。このトークでは、メディア・ジャーナリストの津田大介氏が、世界から注目を集めるチームラボ代表・猪子寿之氏の発想の源に迫りながら、アートと社会の未来をひもといていきます。

猪子寿之 (チームラボ代表)
津田大介 (ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)

津田大介 (ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)

 
クリスタルツリー 2014

津田大介: これまで猪子さんとは、雑誌やWebメディアなど様々な場で対談をしており、僕がナビゲーターを務めるJ-WAVE『JAM THE WORLD』にも、定期的に登場いただいています。チームラボの作品をご覧になったことがある方はご承知かと思いますが、実に独創的な感性をお持ちの方なので、毎回のトークはとても刺激に満ちあふれています。本日もそのようなトークをお届けしたいと思います。それでは猪子さん、よろしくお願いいたします。

猪子寿之: まずは最近、チームラボが手掛けた作品をいくつかご紹介します。言葉で説明するより、実際に観てもらうほうが早いので、映像を流しながら。

福岡のキャナルシティ博多で行われた「キャナルみらいクリスマス」というイベントに合わせ、スマホを使ってデコレーションできる、インタラクティブなクリスマスツリーをつくりました。

<The Crystal Tree 2014/クリスタルツリー 2014>
http://www.team-lab.net/all/products/crystaltree.html

2013年にも同様のものをつくりましたが、今回はバージョンアップしています。約6.5万個のフルカラーLEDを高さ約10mのキューブ型に積み上げ、中空に浮かせており、光を点けると立体的な映像が出現して様々な模様を描き出します。暗闇では光が点いた部分だけが浮かび上がり、光が消えている部分は存在しない。丸太を削った彫刻のような、いうなれば“動く光の彫刻”です。


津田大介: あ本当だ。とてもきれいですね。

猪子寿之: 訪れた人はキャナルシティ博多のWi-Fiに接続し、スマホの画面に出てくるハートやリボン、星といった飾りから自分の好きなものを選び、ツリーに向けてピッと飛ばすと、ツリーの上にそれが出現し、飾り付けられる。

津田大介: たくさんの人が同時にピッとやったらどうなるんですか?

猪子寿之: 順番にたまっていきますが、多過ぎるとスマホの画面に「ちょっと待ってね」と出ます。飾り付けがいっぱいになると、ツリーの周りを回転しながら空に昇っていく。

津田大介: 観ている人も参加できる。これは楽しそうですね。

猪子寿之: 2013年バージョンは慌ただしくつくったので……。まあいいか。次の話に行きましょう。

津田大介: 慌ただしくつくったので、納得のいかない部分もあった?

猪子寿之: そうではなく……。横にある噴水に塩素が入っていて、ピューッと噴き上げるので。

津田大介: 噴水だから、そりゃ当然水は噴き出ますよね。

猪子寿之: 塩素の影響で、途中で調子が悪くなり……。

津田大介: なるほど(笑)。その反省を踏まえて、2014年バージョンは塩素対策も万全だったと。

猪子寿之: はい。雨や風の影響なども考慮しながら、1年ほどかけて、すべて自分達でコントロールできる仕組みをつくりました。


該当講座


NO PHOTO
六本木アートカレッジ 突き抜けるアート~社会と人をつなぐもの~

世の中に新しい価値を送り出すウルトラテクノロジスト集団チームラボ代表、猪子寿之氏と、政治・経済・カルチャーなど独自の視点で発信している津田大介氏がアートの可能性を語ります。



アカデミーヒルズのFacebook
アカデミーヒルズのTwitter