記事・レポート

ロングセラー『マーケティングとPRの実践ネット戦略』著者に聞く

米国企業のソーシャルメディア活用最新動向

更新日 : 2010年05月17日 (月)

第6章 企業のマーケティング担当者には、ジャーナリストを雇え

デビッド・マーマン・スコット氏

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神原弥奈子: デビッドさんのお話では圧倒的に動画の事例が多かったのですが、日本の場合はやはりモバイルの成功事例から入ってくるんですね。デビッドさん、アメリカでのモバイルを使ったマーケティングや、ソーシャルメディアの活用状況について教えていただけますか。

デビッド・マーマン・スコット: 高校生や大学生には広がりつつありますが、日本に比べてアメリカでのモバイルは、まだ大きい市場にはなっていません。ただ、iPhoneのアプリケーションは広がりつつあり、多くの会社がマーケティングに利用していこうとしている状況はあります。

神原弥奈子: ありがとうございます。渡辺編集長、デビッドさんのプレゼンテーションで、新しい発見はありましたか?

渡辺博則: いろいろ面白いものがありました。「恐れていないでとにかくやってみようよ」というのは、日本もアメリカもあまり変わらないのかなと思いました。それから、コンテンツの中身の話が多かったので、そういったところも『日経ネットマーケティング』で書かなきゃなとか、いろいろ考えさせられました。

神原弥奈子: ビデオを撮りながら「今度動画で紹介します」とおっしゃっていましたが、すべてがコンテンツになる、いつでもコンテンツをつくるというのは、日本ではまだそれほど取り入れられていないのではないかという感じがします。

デビッドさん、企業の中でプレスリリースやニュースリリースを書く、いわゆる“コンテンツ・クリエーター”というのはポピュラーな存在だと思うのですが、動画を撮るようなコンテンツをつくるために、アメリカの企業はどういった態勢をとっているのですか。

デビッド・マーマン・スコット: 私はジャーナリストのチームをつくることを勧めています。「マーケティングのチームに新しい人を雇いたいのだけれど、どうしたらいいのでしょう?」という相談を受けると、私は「マーケティング畑の人たちを雇うな」と強調して、「それよりもテレビや雑誌、新聞などのジャーナリストを雇え」とアドバイスしています。

マーケティング畑の人は製品を売ることに必死になってしまうのです。メディアに自分たちが望むことを言ってもらうよう、必死に接待をやってしまう広報担当よりも、自分でストーリーを書くジャーナリストに仕事をさせるように、ということです。フリーランスのバイトでもフルタイムの社員でもいいので、そういうコンテンツライターを雇うべきです。

そして、とても大事なことなので繰り返しますが、「つくるコンテンツというのは興味深いもの、皆さんの興味を引くもの、面白いものでないといけない」ということです。

神原弥奈子: 私たちも「企業がメディアを持つ時代」と言っていますが、企業の中に編集担当のセクションを持つようにということですね。

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渡辺博則 (「日経ネットマーケティング」編集長)
神原弥奈子 (株式会社ニューズ・ツー・ユー 代表取締役)

ゲスト講師:David Meerman Scott(マーケティング戦略家、基調演説者、セミナーリーダー)
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