記事・レポート

ローソン社長新浪剛史氏が描く、イノベーション・フロンティア

日本元気塾プレセミナー

更新日 : 2009年07月22日 (水)

第1章 コンビニに求められる価値が変わった

社会のニーズと現実とのギャップを見抜き、そこを埋めることで躍進を遂げているローソン。例えばナチュラルローソンは「なぜ女性はコンビニを使わないのだろう?」という疑問から生まれたそうです。カリスマ新浪剛史氏の着眼点、発想力、組織をまとめる力に、日本元気塾塾長の米倉誠一郎が切り込みます。

ゲストスピーカー:新浪剛史 株式会社ローソン 代表取締役社長 CEO
モデレーター:米倉誠一郎 日本元気塾塾長/一橋大学イノベーション研究センター長・教授

新浪剛史

米倉誠一郎: 最近ずっと思っているのですが、「全治3年」とか「全治5年」と言う人がいますが、この経済が元に戻るという考え方は捨てた方がいい。我々は新しい資本主義をつくる気持ちで立ち向かわないと、また同じことが起こります。見本は残念ながらアメリカにもヨーロッパにもなく、我々がつくるしかありません。

日本を元気にしようという『元気塾』には、そういう思いが込められています。一人ひとりがイノベーターになるんだ、ということです。今日は新浪さんのローソンでの試みをお話しいただいたうえで、対談をしながら皆さんと一緒に新しい資本主義を考えてみたいと思います。

新浪剛史: どんな突っ込みがくるのか、私もトークを楽しみにしております。先ずは、私の問題意識を皆さんにお話ししたいと思います。「忙しいからコンビニがあると便利だ」と、過去に求められたのが時間や距離です。お客さまは「近いところに行く」ということなのですが、本当にそうなのでしょうか? 少子高齢化や地域格差などいろいろ出ています。お客さまに、ものすごい変化が起こってきていると思うのです。

つまり、「お客さまに時間ができてしまった」これが大きな変化なのです。ということは、商品もサービスも変えなければいけないのですが、自分はコンビニのプロだと思っている人は、その延長線上で考えてしまうのです。「お客さまが忙しくなくなったら、我々は価値がないのか?」と自問自答しなければいけません。「周りにいらっしゃるお客さまとどんなギャップがあり、何が必要なのか」を考えなければいけないということです。

「プロダクトアウト」と「マーケットイン」という言葉があります。「こういう物があるから売ろう」と思うのか、「こういう物が欲しい」と、お客さまもしくは自分自身もお客として「欲しいものをつくって販売しよう」と思うのかでは、発想が全然違います。

今のコンビニの問題点は、これだけの大変化のなかで、「去年やったものをどう改善するか」という発想のままだということではないでしょうか。

どういうふうに変わろうか? この問いには答えがありません。答えはわからないけれど、「どうしたらいいかな?」と考えて実践することが、今、我々に求められていることだと思います。

経営としては、足元の数値は絶対に出しながら、5年先、10年先についても投資していかなければなりません。その間に育てるのは、人なんです。問いを組織として考えるようになったら、本物だと思います。

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