記事・レポート
北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致
更新日 : 2009年03月05日
(木)
第7章 第一次選考をトップで通過した東京。立候補した各都市の特徴

竹田恆和: 2016 年のオリンピック・パラリンピック大会に正式に立候補したのは、マドリード、シカゴ、リオデジャネイロ、東京、それからアゼルバイジャンのバクー、チェコのプラハ、カタールのドーハ、7都市です。今年(2008年)の初めに、各都市がICOに提出した申請ファイルに基づき、6月にIOCの理事会が第一次選考を行いました。
その結果、シカゴ、マドリード、リオデジャネイロ、東京の4都市が選ばれて、今残っているわけです。
シカゴから簡単に説明しますと、シカゴは初めてのオリンピック招致活動です。アメリカはこれまで夏4回、冬4回、計8回行われていますので、今回9回目の開催を目指していることになります。シカゴのミシガン湖のウォーターフロントに施設をまとめた非常にコンパクトな大会です。アメリカが夏季オリンピックを最後に行ったのは1996年のアトランタですから、まだ12年しかたっていないのが現状です。
次にマドリードでが、2012年に立候補してロンドンに敗れて、今回2度目のチャレンジになります。ご承知のように1992年にはバルセロナで開催されましたので、スペインとしては2回目になります。非常に評価の高い内容、計画をつくっております。ローテーションはないとはいえ、ロンドンに続いてヨーロッパでの開催になるということが、どう影響するかということになると思います。
ブラジルではまだオリンピックの開催はありません。南米ではこれまで一度もないのです。ですからIOCとしては、これまでオリンピックを開催したことがない南米やアフリカで近い将来開催させたいというのが希望だとは思います。これまでなぜ外れてきたのかというと、IOCの意見を聞くと、やはり治安の問題やインフラの問題、そういったことが、これまでどうしても解決できなかったということのようです。リオデジャネイロは2回目、ブラジルとしては3回目の挑戦となります。
今回は2014年にFIFAのワールドカップがブラジルで行われます。ですから2年の間に世界最大のイベントを2つ開催することが、どのように判断されるかというところにキーがあるように感じます。
第一次選考では、おかげさまで日本が最高評価を受けました。総合評価は東京が8.3、2位がマドリードで8.1、3位がシカゴで7.0、そして4位がリオデジャネイロで6.4。11項目の評価の総合点から、6月の時点でIOCの理事会が「開催するとすれば、東京が一番ふさわしい」という結論を出してくれたのが、6月の第一次予選でした。
もちろん、これで東京が決まったわけではありません。実際には115人のIOCの一人ひとりの投票の総票数になるのですが、これからが大変です。
(その8に続く、全9回)
その結果、シカゴ、マドリード、リオデジャネイロ、東京の4都市が選ばれて、今残っているわけです。
シカゴから簡単に説明しますと、シカゴは初めてのオリンピック招致活動です。アメリカはこれまで夏4回、冬4回、計8回行われていますので、今回9回目の開催を目指していることになります。シカゴのミシガン湖のウォーターフロントに施設をまとめた非常にコンパクトな大会です。アメリカが夏季オリンピックを最後に行ったのは1996年のアトランタですから、まだ12年しかたっていないのが現状です。
次にマドリードでが、2012年に立候補してロンドンに敗れて、今回2度目のチャレンジになります。ご承知のように1992年にはバルセロナで開催されましたので、スペインとしては2回目になります。非常に評価の高い内容、計画をつくっております。ローテーションはないとはいえ、ロンドンに続いてヨーロッパでの開催になるということが、どう影響するかということになると思います。
ブラジルではまだオリンピックの開催はありません。南米ではこれまで一度もないのです。ですからIOCとしては、これまでオリンピックを開催したことがない南米やアフリカで近い将来開催させたいというのが希望だとは思います。これまでなぜ外れてきたのかというと、IOCの意見を聞くと、やはり治安の問題やインフラの問題、そういったことが、これまでどうしても解決できなかったということのようです。リオデジャネイロは2回目、ブラジルとしては3回目の挑戦となります。
今回は2014年にFIFAのワールドカップがブラジルで行われます。ですから2年の間に世界最大のイベントを2つ開催することが、どのように判断されるかというところにキーがあるように感じます。
第一次選考では、おかげさまで日本が最高評価を受けました。総合評価は東京が8.3、2位がマドリードで8.1、3位がシカゴで7.0、そして4位がリオデジャネイロで6.4。11項目の評価の総合点から、6月の時点でIOCの理事会が「開催するとすれば、東京が一番ふさわしい」という結論を出してくれたのが、6月の第一次予選でした。
もちろん、これで東京が決まったわけではありません。実際には115人のIOCの一人ひとりの投票の総票数になるのですが、これからが大変です。
(その8に続く、全9回)
※この原稿は、2008年9月11日に開催した六本木ヒルズクラブランチョンセミナー「北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致~北京での日本選手団の成績とオリンピックの東京開催を目指して~」を元に作成したものです。
北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致 インデックス
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第1章 北京オリンピックの成功と今後への期待
2008年11月12日 (水)
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第2章 中国とイギリスにみるオリンピック開催国の躍進と、日本の課題
2008年11月25日 (火)
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第3章 ソフトボールと野球。結果の差はどこから生まれたのか
2008年12月08日 (月)
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第4章 各競技の結果から見えてきた課題。例え「JUDO」への適応
2008年12月08日 (月)
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第5章 日本の国際競技力の向上を目指すナショナルトレーニングセンター
2009年01月30日 (金)
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第6章 2016年の東京オリンピック招致。大陸ローテーションの心配は不要
2009年02月20日 (金)
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第7章 第一次選考をトップで通過した東京。立候補した各都市の特徴
2009年03月05日 (木)
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第8章 東京はIOCの総合評価は1位だが、国民の支持率は最下位だった
2009年03月12日 (木)
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第9章 オリンピック開催がもたらす社会的効果と経済的効果
2009年03月19日 (木)
該当講座
北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致
~北京での日本選手団の成績とオリンピックの東京開催を目指して~
竹田恆和 ((財)日本オリンピック 委員会(JOC)会長/エルティーケーライゼビューロージャパン(株)代表取締役社長)
今回の六本木ヒルズクラブランチョンセミナーでは北京オリンピック開催直後の余韻がまだ残る9月に日本オリンピック委員会(JOC)会長の竹田恆和氏をお招きします。2冠を獲得した北島康介選手をはじめ、悲願の金メダルを手にした女子ソフトボール代表、体操で銀メダルを獲得した内村航平選手、フェンシングで銀メダルの....
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