記事・レポート

北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致

更新日 : 2008年11月12日 (水)

第1章 北京オリンピックの成功と今後への期待

竹田恆和さん
竹田恆和: 日本オリンピック委員会、JOCの竹田でございます。今日は先日行われました北京オリンピック、そして2016年に今目指しております東京オリンピック招致についてお話を申し上げたいと思います。

まずは北京オリンピック、本当に多くの皆様のご声援をいただきまして誠にありがとうございました。(2008年)8月8日から24日までの17日間、北京市を中心に行われましたが、セーリングは青島で、馬術は本来北京で行う予定だったのですが動物検疫の関係で香港で行われました。28競技、302 種目、16,000人の選手並びに役員が今回のオリンピックに参加しました。

そのうち日本が参加したのは26競技、171種目です。予選を通過しなかったのはハンドボールとバスケットで、この2つは男女ともに参加できませんでしたが、ほかの競技はすべて参加しまして、576名(編注:選手と役員の合計)、これまでのオリンピック日本選手団の編成としては最大規模でした。

今回のオリンピックを振り返ってみますと、当初心配事も多く、大事な選手団を送る我々としては、いろいろな角度から専門家のアドバイスをいただいて、派遣をいたしました。おかげさまで大きな混乱もなく、懸念されておりましたテロもなく、中国が世界に向けて大国ぶりをアピールしたオリンピックだったという気がいたします。

また、食の安全、大気汚染に関しても大変心配しておりましたが、中国当局の懸命な努力で大きな問題もなく、大変スムーズに進みました。

16,000人の選手と役員が泊まる選手村も新しく用意され、大変快適な住環境がつくられていました。食事は前回のアテネやシドニーで実際に使われたケータリングの会社が今回も北京で仕事を受けおい、食材の仕入れから衛生条件まで完璧で、メニューもとてもおいしく評価の高い食事でした。

選手の視点から見ても住環境は整っていましたし、競技場も非常に高いレベルで施設が用意されていました。1年前にプレ大会(編注:Good Luck Beijing 2007)も無事行われましたし、何といってもこの大会でオリンピック記録が135、うち世界記録が43出たということで、これまでにない高度なレベルだったと言えます。そういった点から見れば、北京オリンピックは大成功だったといえると思います。

今回のオリンピックが及ぼした影響ということでは、やはり中国がこれからの環境に対する意識というものを高く持ったということが間違いなくいえると思います。それから、大衆スポーツの熱が中国で高まってきたということも大きな影響だと感じます。

しかし、全く問題がなかったわけではありません。オリンピック前にチベット問題等で各国で行われたトーチリレーも混乱しました。北京オリンピック開催中もチベットでの騒乱、あるいは新疆ウイグル自治区でのテロの続発という問題は確かにありましたし、そういった小数民族がこの大会から排除されたということは非常に残念なことだったと思います。

しかしこれは中国の中の問題であると言ってしまえばそれまでですが、中国のオリンピック組織委員会が掲げたスローガンにあるように「One World, One Dream」を期待したいと思います。

(その2に続く、全9回)

※この原稿は、2008年9月11日に開催した六本木ヒルズクラブランチョンセミナー「北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致~北京での日本選手団の成績とオリンピックの東京開催を目指して~」を元に作成したものです。

該当講座

北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致

~北京での日本選手団の成績とオリンピックの東京開催を目指して~

北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致
竹田恆和 ((財)日本オリンピック 委員会(JOC)会長/エルティーケーライゼビューロージャパン(株)代表取締役社長)

今回の六本木ヒルズクラブランチョンセミナーでは北京オリンピック開催直後の余韻がまだ残る9月に日本オリンピック委員会(JOC)会長の竹田恆和氏をお招きします。2冠を獲得した北島康介選手をはじめ、悲願の金メダルを手にした女子ソフトボール代表、体操で銀メダルを獲得した内村航平選手、フェンシングで銀メダルの....


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