記事・レポート

北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致

更新日 : 2009年02月20日 (金)

第6章 2016年の東京オリンピック招致。大陸ローテーションの心配は不要

竹田恆和さん
竹田恆和: それでは、招致についてお話をしていきたいと思います。1964年、戦後20年もたたないうちに、東京でオリンピックを開催したわけです。当初、私は高校生でしたけれど、日本があれだけの大きな事業を行ったことに誇りを持ったことを忘れません。特に、日本の選手が活躍した姿を見て感動して、大きな活力をもらったことを思い出します。

あれから今年(2008年)で44年、2016年には半世紀が過ぎるわけですが、東京オリンピックの体験をした世代が元気なうちにオリンピックを再び開催し、何とか次世代を担う子どもたちに同じ経験をさせて、活力と感動を与えたいというのが我々JOCの思いで、このオリンピックを招致することに決めました。

各政令指定都市に協力をお願いしたところ、福岡と東京に名乗り出ていただけたわけです。最終的には投票の結果東京に決まって、今東京都とJOC、国とともに、招致委員会を起こして活動を進めているところです。

これまで日本では東京、札幌、長野と3回のオリンピックを開催してきました。1988年の開催を目指した名古屋が、そして2008年を目指した大阪が立候補しましたが、それぞれソウル、北京とアジアの都市に負けました。

今回は3回目のチャレンジとなるわけですけれども、多くの方々は2008年の北京が終わった8年後に、アジアでオリンピックが本当に開催されるのかということを心配されていると思うのです。

昔は毎回ヨーロッパで行われていました。それから、北米とヨーロッパで交互に行われるようになり、アジアも経済の発展とともにその中に入ってまいりました。ヨーロッパでは2004年のアテネ、2006年にはトリノで冬季大会が行われました。また2012年がロンドンで、そして2014年はロシアのソチで冬季大会が行われます。このようにローテーションが決まっているわけではなく、ヨーロッパで続けて行われているのが実情です。

そういった中で、やはりアジアの経済がこれだけ発展して、人口比から見ても、北京オリンピックの8年後にアジアでオリンピックが開催されても、決して不思議ではないと思います。
(その7に続く、全9回)

※この原稿は、2008年9月11日に開催した六本木ヒルズクラブランチョンセミナー「北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致~北京での日本選手団の成績とオリンピックの東京開催を目指して~」を元に作成したものです。

該当講座

北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致

~北京での日本選手団の成績とオリンピックの東京開催を目指して~

北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致
竹田恆和 ((財)日本オリンピック 委員会(JOC)会長/エルティーケーライゼビューロージャパン(株)代表取締役社長)

今回の六本木ヒルズクラブランチョンセミナーでは北京オリンピック開催直後の余韻がまだ残る9月に日本オリンピック委員会(JOC)会長の竹田恆和氏をお招きします。2冠を獲得した北島康介選手をはじめ、悲願の金メダルを手にした女子ソフトボール代表、体操で銀メダルを獲得した内村航平選手、フェンシングで銀メダルの....


BIZセミナー その他