記事・レポート

グローバル・アジェンダ・シリーズ
2人の起業家に学ぶブレークスルーを生み出す力

個人の思いとつながりから始まる21世紀の地球貢献

ビジネススキルキャリア・人政治・経済・国際グローバル
更新日 : 2013年06月07日 (金)

第3章 企業と現地のニーズを踏まえたビジネスモデルづくり

中村 俊裕(米国NPOコペルニク共同創業者・CEO)

 
企業とのパートナーシップのあり方

中村俊裕: コペルニクの運営費は、個人からの寄付もありますが、基本的には企業からの支援が大半を占めています。企業には大きく2つの関わり方があり、1つは戦略的CSRによる協業、もう1つは途上国進出を目指す企業にコペルニクがソリューションを提供するものです。

戦略的CSRでは、(1)コペルニクの各プロジェクトを活用したCSR事業推進、(2)対象企業向けにカスタマイズされたCSR活動の推進、(3)CSRの一環としてコペルニクを団体として支援、(4)CSR活動に関するコンサルティングや活動評価への支援、となっています。

ソリューション提供には、(a)BOP市場への進出を考えている企業へのアドバイザリーサービス、(b)グローバル人材育成支援などがあります。例えば、「途上国の人々はこうした生活をしているので、この分野のプロダクトが喜ばれている。価格帯はこのくらいで……」といったリアルタイムの情報を提供しています。

すでに企業がプロダクトを持っている場合、望まれる地域とのマッチングも行います。コペルニクがプロダクトを必要とする地域を探し出し、そこに暮らす人々と交渉してテスト的に導入してもらう。その後、足りない要素や適切な価格帯を調査し、最終的に商品化して販売する。こうしたサービスを提供することで、手数料を得るといった活動も行っています。

コペルニクのこだわり

中村俊裕: 私たちのこだわりのひとつに、テクノロジーの導入前と導入後の変化についての詳細なデータを取り、分析していることが挙げられます。例えば、太陽光LEDランタンを導入したインドネシアのある村では、世帯平均の燃料代が導入前の14ドルから1ドル弱にまで低減しました。このように提供して終わり、ではなく、変化を正確に把握するまでが私たちの仕事です。なお、こうした現地調査は、我々のスタッフや外部人材が行っていますが、最近はなるべくコストを抑えるために、携帯電話のSMS(ショートメッセージサービス)を活用したヒアリングも始めています。

もう1つは、「テクノロジーフェア」です。20点前後のテクノロジーを地方の村などに持っていき、2日ほどかけてじっくりと説明します。その後、村の中で「これが一番必要だ」というコンセンサスを取った上でプロジェクトがスタートする、というものです。

現地のパートナーには女性の団体が多く、インドネシアでは母子家庭の割合が高い。そこで、彼女たちを経由して村の人々に販売する仕組みも作っています。売上の一部をインセンティブとして提供し、女性たちが収入を得る。また、現地の団体もその利益を再投資することで別の村にテクノロジーを持っていき、同じように販売する。ビジネス創出の機会とともに、それが持続するような仕組みも提供しています。


該当講座

2人の起業家に学ぶブレークスルーを生み出す力

~既存の枠組みから飛び出し、たどり着いた地球貢献のかたち~

2人の起業家に学ぶブレークスルーを生み出す力
中村俊裕 (コペルニク共同創設者兼CEO)
大澤亮 (株式会社Piece to Peace 創業者・代表取締役社長)
石倉洋子 (一橋大学名誉教授)

中村 俊裕(米国NPOコペルニク共同創業者・CEO)
大澤 亮(㈱Piece to Peace代表)
石倉 洋子(慶應義塾大学大学院教授)
今回のセミナーでは、過去に伝統的な途上国支援の現場に携わり、そこからブレークスルーを生み出した2人の若き起業家にゲストとしてお越しいただきます。BOPビジネスに熱い視線を送る日本企業との関係や、グローバル人材育成、ファッション大国の日本ができること等にも触れながら、2人のスピーカーを通じて既存の枠組みを超えて活動するために必要な力について考えます。


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