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橘・フクシマ・咲江氏が語る、グローバル人財獲得競争・最前線

~ヘッドハンター第一人者に聞く、世界で必要とされる人財~

アカデミーヒルズセミナー政治・経済・国際キャリア・人
更新日 : 2011年11月21日 (月)

第5章 グローバルなプロフェッショナルの変革者の要件とは?

橘・フクシマ・咲江氏

橘・フクシマ・咲江: ここからは具体的に「グローバルなプロフェッショナルの変革者」の要件を考えてみましょう。そのためには、サーチ案件で人物要件の整理のために作成した「専門的資質」と「個人的資質」というフレームワークを使うとわかりやすくなります。

「専門的資質」は職務経験と職務能力に分けられます。職務経験というのは、マーケティング実務や海外勤務といった経験のこと、職務能力はその経験で培われた能力のことです。「個人的資質」は生まれてから大学を卒業するまでに得た能力、例えば理数系に強いとか言語能力が高いといった基礎的能力と性格に分けられます。

このフレームワークを使って「グローバルなプロフェッショナルの変革者」の要件を考えると、専門的資質の職務経験としては「海外での経験」が必要です。なぜかというと、自分と価値観が異なる人たちを管理したり、異なる慣行のところでビジネスを経験し、多様性の管理を学ぶことが必要だからです。また、その経験から育つ、次のような職務能力も求められるからです。

その能力の1つは「起業家精神」です。先ほどお話ししたように、海外で一からスタートしなければいけないわけですから起業家精神が必要です。それから、いろいろな人とコミュニケーションを取らなければならないので「コミュニケーション能力」も必要です。また、海外に出て行くと毎回今までとは違う経験をするので、想定外を管理する能力として「危機管理能力」も必要ですし、想定外の問題を解決する方法を考える「創造的問題解決能力」も必要になります。

一方、個人的資質の基礎的能力としては「戦略的思考」が求められます。一時期、サーチ案件で「“戦略的”財務が欲しい」というリクエストをよく受けました。普通の財務なら資金調達ができればいいのですが、戦略的財務というのは、その企業の戦略に沿った方向でビジネス展開するためには「資金調達はどうすればいいか」ということを、社長の視点から考えられるということです。もしかしたら「自社で資金調達して投資するのではなく、M&Aをしたほうが早い」といったことまで考えられる人財です。

「自立」と「自律」も必要で、自分で一から十まで自己貫徹でプロジェクトを実施できることが求められます。90年代に日本で大企業病が問題になったとき「チームでやっていると責任がたらい回しにされて誰も責任をとらない。信賞必罰を明確にして、パフォーマンスをベースにした報酬制度を取り入れよう」といろいろな企業が取り組みました。これは結果的に定着しませんでしたが、日本のチームの良さが行き過ぎてマイナス面が現れた例で、自立と自律が必要とされるようになったのだと思います。 

それから「多様性に対する感性」も大切です。これを養うには、子どもの頃からいろいろな価値観を持った人たちと接することです。

性格については、かなり文化的なものがあります。以前、クライアントから「ダイナミックで、エネルギッシュで、カリスマ性があって、創造的で、柔軟で、アジリティがあって、前向きで、リスクをとれる誠実な人」というリクエストを頂いたのですが、そういうスーパーパーソンを見つけるのは大変でした。これには文化的な違いもあるからです。例えば、同じダイナミズムといっても欧米人のようにワッと外に出すダイナミックな方もいれば、日本人のように静かであっても考えや行動が非常にダイナミックな方もいます。

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