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橘・フクシマ・咲江氏が語る、グローバル人財獲得競争・最前線

~ヘッドハンター第一人者に聞く、世界で必要とされる人財~

アカデミーヒルズセミナー政治・経済・国際キャリア・人
更新日 : 2011年11月15日 (火)

第2章 BRICsの台頭で、グローバルな人財市場は大きく変化した

橘・フクシマ・咲江氏

橘・フクシマ・咲江: グローバル人財市場のここ20年間の変化を見てみると、大きな山と谷が2つありました。1回目はアメリカのドット・コム・バブルです。頂点は2000年ですが、その前、1990年代はグローバル市場のサーチ案件の急増につれて、日本での需要も約4倍に増えました。完全な売り手市場でしたので、優秀な候補者の場合はクライアント企業に「すぐ決めないなら、この方は次に回します」とお伝えするほどでした。このとき日本市場が伸びた理由は、外資の対日直接投資件数がほぼ10年間で42倍に増えたことが大きいです。

ところがドット・コム・バブルが崩壊すると、市場は冷え込んでグローバルなサーチ市場は約半分の規模まで縮小しました。2003年を過ぎると徐々に回復して、2008年には2000年の規模を超えましたが、2008年にリーマン・ショックが起きると、また大きく冷え込みました。したがってグローバル人財の市場には2つの成長カーブがあるのですが、この2つには大きな違いがあります。

1つは、成長市場が全く違います。ドット・コム・バブル時代は欧米市場の伸びでした。これに対して2003年以降の成長はBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の伸びです。これに途中から韓国も加わり、アジア市場が圧倒的に大きくなりました。

それに伴い、求められるグローバル・リーダーのモデルも変化しました。かつては欧米型のリーダーシップ・スタイルに合う優秀な人財をアジアで探すことが我々の主な仕事でした。しかし2006年にコーン・フェリーとEIU(エコノミック・インテリジェンス・ユニット)が、アジアに関わるエグゼクティブ約300人を対象に「今後、アジア型リーダーシップと欧米型リーダーシップのどちらを優先するか?」という調査をしたところ、「アジア型と欧米型のハイブリッドのリーダーシップ」になると予測する回答が多かったのです。

この調査では、アジア型リーダーシップの特徴とは何かということも聞いています。その回答から浮かび上がってきたのは「友人関係など慣れた関係への依存、企業への忠誠心、地域での強固な人間関係」など「人を中心にしたビジネスをしている」ことでした。それから「部下に対して強い方向性を提示する」こと。これは日本というよりは、ハイエラーキー(上下関係)が重視される中国や韓国に該当するかもしれません。ただ日本も欧米に比べれば上司の指示は絶対という企業がまだまだありますので、やはり当てはまると思います。あとは「コンセンサスづくりを重視する」という回答もありました。

アジア型と欧米型の“ハイブリッド”を求めるということは、それぞれの良いところを学ぶということですので、お互いに学ぶべき点は何かということも聞きました。「アジアのリーダーが欧米から学ぶことは何か?」という質問に対しては、「トップダウンではなく、部下の自立を助けること」「戦略的ビジョンを持つこと」「説得力のあるプレゼンスキルを身に付けること」などの回答がありました。

一方「欧米のリーダーがアジアから学ぶことは何か?」という問いに対する回答は、これの裏返しで「現地での人間関係、会社や部下への忠誠心など、人間関係を重視すること」「戦略だけではなく現場を大事にすること」、そして「部下に強い指示を出すこと」という結果でした。

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