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東日本大震災復興チャリティーセミナー

新しいニッポンを創るために!

アカデミーヒルズセミナー政治・経済・国際文化教養
更新日 : 2011年06月13日 (月)

第7章 役所の縦割り権限を排除しなければ、復旧・復興・改革はできない

竹中平蔵氏(左)米倉誠一郎氏(右)

竹中平蔵: 私は復旧・復興・改革をシームレスにやるとき、4つほど目標を掲げるといいと思います。例えば、目標の1つはエコタウンです。世界に先駆けてあの地域をエコタウンにする。これは国土交通省の縦割りの権限を省かなければできません。

2つ目は農業をTPP対応型にすること。そのためには農地法の改正を含めて、農林水産省の権限をコントロールしなければなりません。

3つ目は新しい産業をつくること。私は文化観光産業がいいと思っています。米倉先生が言われたような、選択と集中を行った新タイプの開放型企業もそうです。これは経済産業省からの権限委譲が必要です。

4つ目は道州制です。お金の枠をきちんと決めて、「こういう街を、こういう産業をつくる」という方向を国が打ち出す。それを具体的にどうするかは東北の人たちが知恵を出して考えるのです。国家公務員の3分の2は地方にいますから、その人たちを全員道州の役人にしてプランニングしてもらうのです。これは総務省の権限を超えなければできません。

重要なのは役所の縦割り権限を排除することです。しかし、復興構想会議のもとには縦割りの役所がくっついていて「ここでは調整のような限られたことだけをやってもらいましょう」という形に持っていっています。先ほどのプリンスホテルのような発想が出てくるかどうかは、役所の縦割り権限を排除できるかどうかで決まります。ですので、これは大きな分かれ目になると思います。

そのときマクロ経済のコントロールが重要になります。みなさん、これまでで円が一番高くなったときは何年だったか覚えていますか? 1995年、阪神・淡路大震災の年です。要因はいろいろありますが、マクロ的な解釈では、震災で打撃を受けて財政拡大をしたわけですが、そのとき一緒に金融を緩和しなかったから、金利が上がって、円が買われ、円高になったのです。

今回、下手をすると円が暴落するかもしれません。あるいは日銀がきちんとした金融緩和をしないと円高になって、輸出産業が影響を受けるかもしれません。今、マクロ経済運営というのはすごく微妙なんです。なのに民主党政権はマクロ経済運営というコンセプトを持っていません。民主党政権にはマクロ経済運営について語れる大臣が一人もいないのです。

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該当講座

アカデミーヒルズセミナー 東日本大震災復興チャリティー
竹中平蔵 (アカデミーヒルズ理事長/東洋大学教授/慶應義塾大学名誉教授)
米倉誠一郎 (日本元気塾塾長/法政大学イノベーション・マネジメント研究科教授/ 一橋大学イノベーション研究センター名誉教授)

竹中平蔵(アカデミーヒルズ理事長/慶應義塾大学)米倉誠一郎(日本元気塾塾長/一橋大学)
アカデミーヒルズセミナー東日本大震災復興チャリティー「新しいニッポンを創るために」では、この度の震災から日本が復興し、進むべき方向、そして新しい日本を創るためには、我々は何をしなければならないのか、について考えます。またセミナーの収益は被災地復興のために寄付する予定です。


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