記事・レポート

東日本大震災復興チャリティーセミナー

新しいニッポンを創るために!

アカデミーヒルズセミナー政治・経済・国際文化教養
更新日 : 2011年06月07日 (火)

第4章 既存企業を超えて、若者が日本をひっくり返すチャンス!

竹中平蔵氏(左)米倉誠一郎(右)

米倉誠一郎: タタ自動車のナノに乗ったことのある人はいますか? ナノは2,000ドルですよ。1ドル83円なら、たったの16万6000円。帰りがけに衝動買いしてもいいぐらい。日本人は「なんだ、こんなの」とか「だめだよ、火を噴くし」とか言うけれど、それって1960年代にアメリカ人が日本のトヨタ・カローラを見て「だめだね、おもちゃだよ」と言ったのと同じ発想ですよ。

ナノは後ろにエンジンを積んでいるので、後ろを開けてモーターに換えたら、あっという間に電気自動車になります。内燃機関というのはオールド・パラダイム。当時は縦型の運動にカムをかませて回転運動にするしか方法がなかっただけ。効率からすれば、初めから回転運動のモーターがいいに決まっています。あとは携行する電池の問題がクリアできればいいだけ。「一度に300km以上走れないとダメ」と言う人がいますが、1日300km走る人なんて数%でしょ。「スピードは時速150km以上出なきゃ」って、都内でそんな速度で走れる所がありますか?

僕が言いたいのは「チャンスだ!」ということです。さっきお話ししたように、井深大37歳、盛田昭夫24歳、そうした若者が日本をひっくり返すチャンスだと事業を興したんです。プリンスホテルじゃないけれど、「もう東電はダメだな。実は俺、前々から電力業をやってみたいと思っていたんだよ」とか、「これからの自動車は違うものになるな。今すぐラタン・タタに掛け合って『僕と一緒にやろう!』」と言うとか、そういうチャンスの時ですよ。

なぜこんな話をするかというと、ボランティアは大事ですし、確かに力も感じましたけれど、永久にボランティアをやっているわけにはいかないからです。現地に行くと、被災して職を失った漁師さんたちが、日がな一日やることもなくただ話をしているそうです。どうすればこの人たちが職に就けるか、たとえ数千円でも日当を彼らに払うには何が必要なのかということを若い人たちが考えないといけないんです。次の時代はどうなるか、どんなビジネスモデルができるかを考えないと。

僕はバングラデシュのグラミン銀行に物を持って行こうとしたら、「物は要らない。テクノロジーとナレッジを持ってこい」と言われました。そのレベルにチャレンジしなければいけないと思います。

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該当講座

アカデミーヒルズセミナー 東日本大震災復興チャリティー
竹中平蔵 (アカデミーヒルズ理事長/東洋大学教授/慶應義塾大学名誉教授)
米倉誠一郎 (日本元気塾塾長/法政大学イノベーション・マネジメント研究科教授/ 一橋大学イノベーション研究センター名誉教授)

竹中平蔵(アカデミーヒルズ理事長/慶應義塾大学)米倉誠一郎(日本元気塾塾長/一橋大学)
アカデミーヒルズセミナー東日本大震災復興チャリティー「新しいニッポンを創るために」では、この度の震災から日本が復興し、進むべき方向、そして新しい日本を創るためには、我々は何をしなければならないのか、について考えます。またセミナーの収益は被災地復興のために寄付する予定です。


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