記事・レポート

マーケティング・クリエイティブ最前線「宝島社の女性誌マーケティング」

~出版の概念を覆すマーケティング戦略で部数はまだ伸びる~

更新日 : 2011年01月28日 (金)

第7章 会議は発言自由、即断即決、持ち越しナシ

「宝島社の女性誌マーケティング」セミナーの様子

西川英彦: 本当に楽しいお話をありがとうございました。いろいろ伺いたいと思うのですが、恐らく皆さんが一番興味を惹かれたのは「マーケティング会議」の話だと思います。ですので、お話しいただける範囲でもう少し詳しく教えていただくことはできますか。例えば会議が生まれたきっかけや、具体的にどんな発言が出ているのかとか、どんな雰囲気なのかとか。

桜田圭子: きっかけは、私が2006年に早稲田大学の大学院に入ったときのことです。同じゼミになった異業種の方々がマーケティングに対する意識の高い企業さんが多くて、弊社を含む出版社はマーケティングの面では何十年も遅れているのではないかと気づいたのです。そこで、一度企業活動を見直してみようと考えたのです。

11の雑誌を定期発行しているのですが(現在は13誌)、マーケティング会議はそれぞれの雑誌について月に1回行っているので、毎月、最低でも11回はあります。それに加えて、ブランドムックやマルチメディア商品、文庫や書籍なども扱っていますので、だいたい月に20回ぐらいはあります。

西川英彦: 毎回参加者は違うということですか?

桜田圭子: 社長と宣伝、広報、WEB、の責任者は同じですが、商品によって編集者、書店営業、広告営業は変わってきます。

西川英彦: 会議の内容や雰囲気はどんな感じなのですか。

桜田圭子: 割とざっくばらんに、みんなでブレストのような形でアイデアを出し合う感じです。「今日はこれについて話します」ということではなく、例えば「今朝のワイドショーでこんなニュースを取り上げていましたね」とか。何事も仕事とリンクしているので、そういう時事的な話も多いですね。

自分の部署にかかわらず発言は自由なので、例えば私が営業のことについてアイデアを出す場合もあれば、編集がPRについて意見を言ってくれることもあります。垣根がないというか、本当に家族みたいな感じでそれぞれが考えたことを言うようにしています。

西川英彦: 一般的な企業では、営業に企画の人間が口出しすると、「なんでそんなこと言うの?」という、いわゆる「組織の壁」があると思うのですが、そういうことは当初からあまりなかったのですか?

桜田圭子: そうですね、適材適所でやっていますので。人事異動も例えば編集から総務にいったり、営業から編集にいったり、かなりドラスティックに行われています。あと、もともと“出版社”という意識ではなく、“情報産業”ととらえているので、非常に発想が柔軟な者が多いですね。

予算に関しては、いい企画であればトップが入っているので最終的な経営判断がその場で下せます。すぐに決定がなされるので、「次回に持ち越して検討します」ということはまずないですね。どんなことでも即決という感じです。

西川英彦: 実質的には経営会議、あるいは事業会議に近い?

桜田圭子: そうですね、それに近いと思います。

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該当講座

宝島社の女性誌マーケティング

~出版の概念を覆すマーケティング戦略で部数はまだ伸びる~

宝島社の女性誌マーケティング
桜田圭子 (株式会社宝島社 マーケティング本部広報課長)
西川英彦 (法政大学 経営学部 教授)

桜田 圭子(㈱宝島社 マーケティング本部広報課長)
西川 英彦(法政大学教授)
今回のマーケティング・クリエイティブ最前線では、新しい発想で快進を続けて注目を集めている宝島社にクローズ・アップします。
付録付雑誌だけでなく、美顔器を書店で販売して大ヒットさせるなど、従来の常識を覆すマーケティング戦略で注目を集める同社の発想の源にあるものとは?進化を続ける宝島社の好調の秘密に迫ります。


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