記事・レポート
本当にエコカーは環境負荷を低減するのか。生き残るエコカーの条件とは?
『日経エコロジー』提携講座:過熱するエコカー市場の真相
更新日 : 2010年03月18日
(木)
第3章 ハイブリッド車への期待と今後の展開
木野龍逸: ハイブリッド車の特性は、エンジンと電気モーターのいいところをとったものだということ、エネルギーの回収ができること、電気系のユニットのコストダウンが可能であることといえます。
エンジンの効率のいいところと出力のいいところをうまく使えることにより、効率向上になるうえ、エンジンにもモーターにも無理をさせない運転ができます。無理をさせないということは、エンジンもモーターも長持ちするということです。
エンジンとモーターの使い方の配分を変えると、早く走る車にもできますし、燃費のいい車にもできます。また電気だけで走る距離を長くしていけば、よりいっそうCO2の削減が可能になります。これが、ハイブリッド車の次のステージといえる、プラグインハイブリッド車(家庭用コンセントで充電可能なハイブリッド車)です。
ところでプリウスのコンピュータにはセキュリティがかけられているので、システムに手を加えると車が動かなくなってしまうようです。にもかかわらず、エナジーCSというロサンゼルスのベンチャー企業などは、二代目のプリウスをプラグインハイブリッド車に改造し、販売しています。
エナジーCSは、90年代にトヨタやホンダ、そしてGMがつくっていた電気自動車のオーナーだった人たちが中心になって立ち上げた会社です。彼らは今でも、90年代に走っていたトヨタのRAV4 L(ラブフォーエル)という電気自動車や、ガソリン車を自分たちで改造した電気自動車に乗っています。
こうしたベンチャー企業に影響されたのではないでしょうが、トヨタも今年(2009年)末からプリウスをベースにしたプラグインハイブリッド車を発売する予定です。
記事をシェアする
ブログに書く
この記事のURLはこちら。
http://www.academyhills.com/note/opinion/10030303EcoCar.html
本当にエコカーは環境負荷を低減するのか。生き残るエコカーの条件とは? インデックス
-
第1章 エコカー開発の背景には、環境問題とエネルギー問題がある
2010年03月03日 (水)
-
第2章 クリーンディーゼルと燃料電池車は風前の灯
2010年03月11日 (木)
-
第3章 ハイブリッド車への期待と今後の展開
2010年03月18日 (木)
-
第4章 “街なかの充電コンセント”は電気自動車の普及のカギにならない?
2010年03月26日 (金)
-
第5章 EUのCO2規制が電気自動車の開発に拍車をかける
2010年04月02日 (金)
-
第6章 アメリカでは、ベンチャー企業が電気自動車を開発している
2010年04月12日 (月)
-
第7章 世界の電気自動車事情
2010年04月22日 (木)
-
第8章 日本ではほとんど見かけない電気自動車が、世界を走っている理由
2010年04月30日 (金)
-
第9章 環境精神論だけでは、日本に電気自動車は普及しない
2010年05月13日 (木)
該当講座
過熱するエコカー市場の真相
~本当にエコカーは環境負荷を低減するのか。5年後に生き残るエコカーの条件とは~
木野龍逸 (フリーランス ライター兼カメラマン
)
木野 龍逸(フリーランス ジャーナリスト・カメラマン)
いま、エコカーが注目されています。トヨタやホンダのハイブリッドカーが市場を席巻し、三菱自動車、富士重工、日産自動車が電気自動車を発表するなど、各社がしのぎを削る中、政府もエコカー減税を実施してバックアップします。
多岐に渡る環境対応車の「いま」と今後のエコカー市場の展望について木野氏が解説します。
BIZセミナー
環境 政治・経済・国際
注目の記事
-
09月24日 (火) 更新
本から「いま」が見えてくる新刊10選 ~2024年9月~
毎日出版されるたくさんの本を眺めていると、世の中の”いま”が見えてくる。新刊書籍の中から、今知っておきたいテーマを扱った10冊の本を紹介しま....
-
09月24日 (火) 更新
aiaiのなんか気になる社会のこと
「aiaiのなんか気になる社会のこと」は、「社会課題」よりもっと手前の「ちょっと気になる社会のこと」に目を向けながら、一市民としての視点や選....
-
09月24日 (火) 更新
多様な個性が育むナラティブパワー<イベントレポート>
⼦どもの「話す⼒」の育成に⼒を入れる⽵内明日⾹さんと、「『まちぐるみ』の子育て」を目指す松本理寿輝さんをお招きし、多様な個性とナラティブパワ....