石倉洋子のグローバル・ゼミ

ゼミでの失敗を糧に、世界へ

グローバル•アジェンダ•ゼミナールのメインファシリテーター、石倉洋子さんに聞く

更新日 : 2009年11月06日 (金)

第7章 世界に出て行く人を探し出して支えたい


先ほど、日本の若い人に「ダボス会議に参加できるような人になってほしい」というお話がありました。石倉さんが(ダボス会議に)推薦されるとしたら、どんな人を選ばれますか。

ダボス会議では、ヤング・グローバル・リーダー(YGL)という40歳までの若いリーダーのグループがあります。YGLは、40歳以下、ひとつの分野で突出してリーダーの地位を占めつつある人で、社会的な活動をしている人が世界からノミネートされて、毎年選ばれます。私も2000年代はじめと最近、おもにビジネス界から何人かノミネートしたことがあります。
2000年の頃は、日本にはヤング・グローバル・リーダーの資格に合うような、何かで秀でてリーダーシップを発揮する立場にいて、しかも社会活動をしている40歳未満の人をビジネスの分野で探すのはとても難しかったのです。特に若い優秀な人が企業内にはいるはずですが、外からみえないし、起業家も最近は増えてきましたが、まだ少なかったので。最近はかなり出て来ましたが、当時は本当にいなくて困りました。

また分野は違いますが、最近では、例えば、佐藤可士和さん(クリエイティブディレクター、アートディレクター)や、A-POCの藤原大さん(クリエイティブディレクター)などが、十分世界でアピールできる実力の持ち主だと思います。

ダボス会議のような世界レベルの会議に参加できるような人が、まだまだ日本にもたくさんいるのですね。

ええ、そう思います。ダボス会議の求めている人材の領域も広がっています。YGL以外にも最近では、技術分野のパイオニア(テクノロジー・パイオニア)やヤング・サイエンティスト(若い科学者)などのグループが新たに作られています。また、クリエイターやミュージシャン、アーティスト、ソーシャル・アントレプレナーなどまで広がってきています。

将来、ダボス会議を目指す人たちにアドバイスをお願いします。

専門分野で世界に知られるようになることと、平行して社会的な活動もしていくこと。

(文・構成 太田三津子/撮影 御厨慎一郎)

プロフィール

石倉洋子
石倉洋子

一橋大学名誉教授


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