デザインビジネス最前線
リテールバンクの富裕層拠点における
デザイン空間がもたらす新たな顧客価値の創造
~「顧客を会員へ変える」三菱東京UFJに見るデザインとサービスの融合~
日時

内容
同行では、日本の銀行では初の取り組みとして、一昨年より、渋谷、名古屋、神戸、京都などの主要都市に富裕層専用拠点をオープンしています。それは、富裕層である会員をターゲットにしたもので、米国人建築家ニール・デナーリ氏がインテリアから内装までを設計した、まるでホテルのラウンジのような、会員専用のゆったりとした空間です。こうした洗練された空間の中、会員は、簡単な入出金や振込みから資産運用の相談までのサービスを、順番を待つことなく、ソファに座ってリラックスしてワンストップで受けられます。
こうしたサービスは、今まで、同行のみならず、どのリテールバンクにおいても実施されていませんでした。従来、日本の銀行ではすべての利用者に対して均一的に対応するのが基本でした。たとえば、顧客である預金者は、預金高に関わらず誰もが順番に並ぶというシステムです。また機能の提供のみが優先されたシステムで、空間設計も各行横並びの状況でした。その結果、銀行は、顧客価値の差異化、ひいてはブランドを生みだしにくい業界の一つとされてきました。
同行において、セグメンテーションを導入し、富裕層専用拠点を開設することは、会員富裕層の利用頻度を上げ、預金高や収益をあげるための手段の一つでしたが、こうした手段であった空間デザインが、ユーザーにとっての「経験の場」となり、新たな顧客価値を創造しつつあります。
本講座では、以上の具体的な事例を通じて、デザインがどのような新しい価値を創出したのか、そして、どうすればデザインを活かすことができるのか、そうしたマネジメント手法を学びます。デザインがもたらす新しいマーケティング戦略の価値を実感してもらえることと思います。銀行ビジネスに関係なく、どんなジャンルの方にとっても、ブランド創出あるいは再生を考える手がかりとなる講座です。
※ゲストスピーカーによる一方通行のセミナーではなく、少人数制、質疑の時間も設けたインタラクティブなスタイルの講座です。受講者は、講義における不明な点やご自身が抱えている課題などをゲストにお問合せいただき積極的にご発言ください。
主なディスカッション項目
・三菱東京UFJ銀行のセグメンテーションの狙いとは・富裕層戦略のターゲットとは
・富裕層専用拠点の空間デザインやオペレーションの特徴や工夫とは
・空間デザインやプロセスデザインがもたらす顧客価値とは
・このケースから学べる点は何か
受講をお勧めしたい方
・メーカーで新規事業・新規ブランドなどの立上げに携わる方
・マーケティングの知識を学びたいデザイナー
講師紹介


講座趣旨
携帯電話、家電、自動車、住宅—マーケティング競争が激化する現在、多くの業界で「デザイン」が注目されています。
「デザイン」という着眼点は、ある意味、目につき易く単純に見えるかもしれません。だが、こうした「デザイン」が、ビジネスの成否における重要なカギの一つとなっているのです。製品の価格や性能での差別化が困難になっている今日の市場では、「デザイン」を起点として、顧客を捉えることは不可欠な動きとなっています。
これからは、「デザイン」によって新たな顧客価値を創出し、利益を上げる企業と、「デザイン」をうまく利用できずに利益を上げることができない企業の差がますます広がる可能性があります。
継続的な利益を生むためには、単なる「いいデザイン」を超えた仕組み=マーケティング戦略がなければなりません。まさにデザインを起点に創造する戦略、すなわちデザイン・ドリブンのマーケティング戦略の必要性です。
本講座では、多くの企業が抱えている「デザインがよければ売れるのか」、そして「どうしたらデザインを経営に活かすことができるのか」という問いに様々な形で答えた企業の方をゲストとしてお招きします。
流通、価格、PR、そしてビジネスモデルなどの視点から「デザイン」とマーケティングの要素を巧みに結びつけたプロセスや、そのマネジメントの工夫を聞き、参加者の皆さんとの議論を通じて、その成功の裏側にあるマーケティング戦略の特徴や課題を学びます。
開催実績



マーケティングセクション リーダー)
西川英彦 (法政大学 経営学部 教授)
開催日 : 2008/05/22 (木)






募集要項
日時 |
2007年02月21日
(水)
15:00~17:00 |
---|---|
受講料 |
29,800円 |
定員 | 50名
※定員になり次第締め切らせていただきます |
主催 |
|
会場 |
アカデミーヒルズ49(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー49階) ※都合により40階に変更する場合、受講生には直接ご案内いたします。 |
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