記事・レポート

福祉がいまできること~横浜市副市長の経験から

ケロッグ大学大学院モーニング・セッション 講師:前田正子

更新日 : 2009年07月28日 (火)

第12章 与えられたチャンスでベストを尽くす

前田正子 財団法人横浜市国際交流協会 理事長

司 会: 前田さんのような問題意識を持っている方がいても、結局、前田さん1人では世の中いい方向に向かっていかないと思うのですが、前田さんが、こういう問題意識を持たれたきっかけは、一体どんなことだったんでしょうか。そして、そのあと、どういうふうに考えて、今のキャリア、生き方を選ばれたのでしょうか。

その問題意識を1人でも多くの方に持っていただきたいというのが、そもそものこの会の趣旨でございますので、少しお話しいただけたらと思います。

前田正子:あまりうまく言えないのですが、(この講座の)最初の方で「ケロッグに行ったときに経営よりも、企業のあり方や人々の働き方を規定する社会のあり方がすごく興味があった」ということを申し上げたと思います。

日本に帰って来て、なぜこの分野に進んだのか。私はアメリカで子どもを育てながらビジネススクールに行っていて、アメリカの保育園にも子どもを通わせていました。そして94年に日本に帰ってきたとき、「エンゼルプランプレリュード」を国がスタートさせ、保育制度や少子化対策の議論が始まりました。

アメリカみたいなやり方、つまり市場万能主義で保育や福祉制度も全部マーケットに任せる方がいいという考え方と、政府が何もかもやるという北欧型という考え方がありました。私が「アメリカの保育園は良いところもあるけれども、悪いところもある」という話をしました。アメリカでは良い保育園はすごく保育料が高く、安いところはひどい。日本の保育制度問題はありますが、それなりにいい面もあると私は思うので、そういう話をしました。

日米両方の保育園に子どもを預けて、話しできる人は多くなかったので、私がファーストムーブアドバンテージ、ニッチ市場だったのです。それまでは、大学の保育科の先生で保育理論や保育士さんの養成に携わっている人はいましたし、公務員の組合などで活動して政治的なマターとして保育問題を語る割と左翼的な人はいました。しかし、普通の働くお母さんや女の人が働くための保育や子育て支援、そして普通の企業を支えるための社会保障制度がどうあるべきかみたいなことを、働いている人の立場からしゃべる人があまりいなかったんですね。

ですから、講演会などに呼ばれて話す、話すと面白いからまた呼ばれる、呼ばれると勉強する、ということで、おのずとそういう道に入るようになったということがあります。知れば知るほどいろいろな問題点があるので、面白くて止められなくなったということは確かです。与えられたチャンスでベストを尽くしていたら、それが仕事のテーマになったということですね。


該当講座

福祉がいまできること
横浜市副市長の経験から
前田正子 (財団法人横浜市国際交流協会 理事長)

世界最高峰のビジネススクール、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院日本同窓会とアカデミーヒルズが送る知の交流。同校教授を始め日本や世界で活躍する卒業生を招き、講演やディスカッションを通じてケロッグならではのカジュアルな雰囲気のなかで、マネジメントの最先端やリーダーシップの真髄に触れます。 大好評....


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