記事・レポート

「東京オンリーピックができるまで」

更新日 : 2009年03月24日 (火)

第7章 どんな人が観ているのか? ヒットの法則とプロモーション方法

アカデミーヒルズで開催したセミナー「東京オンリーピックができるまで」の様子
会場からの質問: 『東京オンリーピック』をつくる際に想定した視聴者と、実際に関連情報や映画にアクセスしてきた視聴者の層を比較してお話を聞かせていただけますか?

真島理一郎: 『スキージャンプ・ペア』は、大体20代から30代、35歳ぐらいまでの男女で、割とお笑い好きのような人たちが買ってくれていた感じです。今回、その人たちを一番マスの部分で想定していました。

亀田卓: 意外と女性が多かったのに驚きました。

真島理一郎: そうですね。普段映画を見ないような人に来てほしかったので、そのへんは来てくれていたかなという感じはしました。

『スキージャンプ・ペア』のときは、僕に近い人たちに見せたくてやったのですが、蓋を開けてみると意外と年配の人も買ってくれたり、小学生が喜んでくれたり。今回、そのあたりはこれからなのかな、と。

亀田卓: こういう新しいものって、最初とんがった人たちが買ってジワジワ広げてくれて、最後にコンサバティブな人も買うようになるので、今のところ、DVDはまだとんがった人が買っている状態だと思います。

真島理一郎: 狙っていないところまで広がっていくのは、作品の力だと思います。

亀田卓: そう。想定していた人たちだけが買ってくれるのは、まあ普通のヒット。これを40代や50代の人が買ってくれるときには大ヒットになっていると思うんです。

会場からの質問: ビジネスとして損益分岐点のシミュレーションをどんなふうにされるのでしょうか? おっしゃったように、原作があるわけでもないし、テレビ局がついているわけでもない。そういう中で出資者を口説くとき、どういうプレゼンテーションをされるのか伺いたいのです。

亀田卓: 自分自身口説かれることが多いのでよくわかりますが、今回は、「あの真島さんがやるんだよ」というところでしょうね。

もう1つは、企画の面白さ。シミュレーションはもちろんやりますけど、意外と当たらないですから、今回は「真島さんという名前」と「企画の面白さ」ですね。
(その8に続く、全8回)

※この原稿は、2008年9月30日にアカデミーヒルズで開催した「東京オンリーピックができるまで」を元に作成したものです。

該当講座

東京オンリーピックができるまで
真島理一郎 (映像作家/IDIOTS代表)
亀田卓 (デジタルハリウッド大学大学院教授 広告会社勤務/映画プロデューサー )

「only」+「pictures」=「onlypic」唯一無二のスポーツ映像。世界中を熱狂と興奮の渦に巻き込み、DVD販売累計50万枚を記録した大ヒット作「スキージャンプ・ペア」。その生みの親・真島理一郎待望の最新作「東京オンリーピック」。 本作では真島総監督のもと、国内外で活躍する個性派トップク....


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