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これからの東京~ビジネスと感性が融合する都市像~

更新日 : 2008年02月14日 (木)

第6章 見当違いの格差論が日本や東京の発展を阻む

米倉誠一郎_隈研吾_竹中平蔵
竹中平蔵: 実は、東京問題はその話ともろに関わってきます。今、私たちは東京のど真ん中でこういう話をしていますけれども、例えば、私の郷里の和歌山では「東京はいいよね。和歌山は大変なんだよ」と、東京と地方の格差論になる。

しかし、東京が上海や北京や香港と戦って勝てるような都市にならなければ、和歌山も秋田も世界にはとてもついていけなくなるんです。そういう点で、私は東京をどのように扱うかが、これからの何年間でもっとも大きな問題になると思います。

私が総務大臣の時に1つやり残したこととして地方分権一括法があります。これをこれからやる。制度が難しいので、あまりマスコミでは取り上げられていないけれども、これは大論争になりますよ。

いろいろな行政のサービスがありますが、国の仕事なのか、地方の仕事なのか、それをはっきりさせていく。国の仕事なら、国が全部責任を持ってお金も全部出す。地方の仕事ならば、地方が全部責任を持ってお金の手当もできるようにする。これがまさに地方の自立。

そうすると「東京をどうするの」ということになる。東京は平均所得で群を抜いている。例えば、東京をワシントンDCみたいな形、つまり政府直轄にするのか。あるいは、東京も和歌山も同じ自治体のままでいいのか。これは大論争になりますよ。

個人的には、長期的にみて東京には別の法律体系を適用するほうがいいと思います。それが東京の実力に見合っている。

先ほどラスベガスの話がありましたが、例えば、香港が金融センターを目指している。その隣のマカオはアジアのエンタテインメント・センターを目指している。マカオはシンガポールをすごく意識しています。なぜなら、シンガポールがカジノを開こうとしているからです。

しかし、東京はどうでしょう。東京ではカジノはつくれない。特区構想を使ってカジノをつくれないかとチャレンジしたのですが、「刑法に関する問題は除外する」という官僚的な仕切りで実現しなかった。カジノについては賛否両論ありますが、いろいろな条件をつくれば、マイナス面は排除できます。それに、行きたくない人は行かなければいいんですから。

重要なのは、今は特別な発想を持った場所をつくるチャンスがあるということ。これを私は重ねて申し上げたい。日本は暗くなる必要はない。すごくチャンスがあるんです。

米倉誠一郎: そうですよね。日本のGDPは500兆円。フランスとドイツを合わせたぐらいのGDPがあるんですから。豊かということは選択肢が多いということ。

僕は国際都市にはカジノがあっていいと思う。「ギャンブルはいかん。日本人に合わない」と言うけれど、日本人はパチンコとか競馬に一体いくら使っているんですか? 

ちなみに、ラスベガスが蘇ったのはマフィアを追放したからです。昔のラスベガスと今のラスベガスは全然違う。合法化して、ファミリーで楽しめる街にしたから、今のラスベガスがある。実際、そうしたカジノしか成長していない。それを見習ってどんどんやればいいんです。

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