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これからの時代に求められる学びのスタイル:茂木健一郎×波頭亮

私塾がコモディティ化しない人材をつくる

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更新日 : 2012年11月12日 (月)

第2章 タコツボ化した日本の学問にグローバル・アジェンダは解けない

茂木健一郎(脳科学者)

茂木健一郎: 原発問題や税制問題など、社会が直面している多くの問題に対するソリューションは、当然のことながら学問が提供しなければなりません。でも、1つの方法論で解決できる問題なんて、もうないんです。だからハーバードのような総合大学では、みんな必死になって教養を身につけるのです。

ところが日本の大学は、タコツボ化しています。特に深刻なのが、理系と文系。理系・文系なんて言っているのは日本だけですよ。東大なんて、理一・理二・理三、文一・文二・文三って、もう勘弁してほしい。

例えば、最近、多くのみなさんがグロス・ナショナル・ハピネス(GNH)に興味を持っていると思いますが、ハピネスの研究は既に、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンという人がやっています。「フォーカシング・イリュージョン」というのですが、例えば、20代の女性に「40代になったとき、結婚している人と、結婚していない人のどっちが幸せだと思いますか?」と質問すると、結婚が幸せの絶対条件のように思ってしまうのですが、実際には、結婚しているかどうかは、あまり関係がないんです。

「人間は、ある1つの条件が幸せの絶対条件だと思ってしまう」ということですが、これは私がやっている脳科学と非常に関係しています。GNHみたいなものは、諸学問が総力戦でやっていかないと意味がないんです。

日本では、なかなかそういうことができません。なぜかというと、理系・文系の間にデバイドがあるからです。理系はリンガフランカである英語で一応やっているので、まだましですが、文系の先生は基本的にドメスティックですよね。せいぜい、ときどき「外国の学会で発表してきました」とか、「英語で論文を書きました」程度で。個々人の先生の人生としてはそれでいいのかもしれませんが、構造問題としては非常に深刻です。

現代の社会問題は、リンガフランカである英語で、諸学問が総力戦で解決していかなければいけないのに、それができない。これがアカデミアだけの話だったらまだいいのですが、ビジネスの分野でも同じことが起きているのです。

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茂木健一郎 (脳科学者)
波頭亮 (経営コンサルタント)

茂木 健一郎(脳科学者)
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いま求められるコモディティ化しない人材を育成するためには、これまでの標準的な人材を生んできた教育システムでは限界があります。本セミナーでは、「今までのやり方と古い常識にとらわれずに自分で考え、自分で行動することができる」人材を育てる一つの試みとして、私塾の可能性に注目します。新しい時代に即した私塾とは?茂木氏と波頭氏が議論します。


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