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これからの時代に求められる学びのスタイル:茂木健一郎×波頭亮

私塾がコモディティ化しない人材をつくる

グローバルキャリア・人ビジネススキル政治・経済・国際
更新日 : 2012年11月13日 (火)

第3章 なぜ日本から世界的なネットベンチャーが誕生しないのか?

茂木健一郎(脳科学者)

茂木健一郎: インターネットは、総合的な知の塊です。例えばGoogleのページランクは、ウェブのリンクを世界最大のグラフ構造として計算した、セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジのスタンフォード大学時代の論文に基づいているというのは有名な話です。二人とも、むちゃくちゃ頭がいいんです。

ネットベンチャーを興そうとする日本の若者が、「茂木さん、俺、そのうちビッグになりますから」なんて僕のところによく来るんですけれど、全然勉強していないのよ、これが(笑)。しかも、ウィキリークスについてまともなことも言えない。これじゃあ、世界に影響を与えるようなネットベンチャーはできません。

ウィキリークスが欧米のメディアにおいて大きな問題になっているのは、ネーション・ステートの統治構造など、いろいろな論点をはらんでいるからです。ネットベンチャーは文明感が問われます。だからウィキリークスについてまともなことを言えない人には、グローバルなネットベンチャーなんかできません。

日本の若者は甘いんです。勉強していないんです。これは個々人が怠けているという問題もありますが、アカデミアの構造問題もあります。日本には、理想的な大学がないんです。例えば、英語を売りにしている大学や学部の学生は、確かにみんな英語はできます。でも、中身がない(笑)。統計とか数理が苦手なの。一方、東大や東工大の学生は、数理はできる。でも、英語が全然できない。しかもプレゼンテーションが下手。2つが結びついてないんです。両方できないと、国際的に通用するグローバル人材にはなれません。

これは政治の責任であり、文科省の責任です。今の大学の経営陣が自分たちでチマチマやっているだけでは、絶対に変わりません。慣性の法則もあるし、日本の文系の先生は、「我々は日本語のこの学問の世界を大事にしたい」なんて言っているし。それはそれで大事にしてもらっていいんですけれど、それじゃあグローバルで通用しないんです。

日本の構造問題の論点は、本当はもっと多岐にわたるのですが、きょうは教育に関する問題のごく一部を紹介しました。「その改善には時間がかかるので、とりあえずは自衛しましょう」というのが、私の提案です。そのための「私塾」です。

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私塾がコモディティ化しない人材をつくる

~これからの時代に求められる学びのスタイル~

私塾がコモディティ化しない人材をつくる
茂木健一郎 (脳科学者)
波頭亮 (経営コンサルタント)

茂木 健一郎(脳科学者)
波頭 亮(経営コンサルタント)
いま求められるコモディティ化しない人材を育成するためには、これまでの標準的な人材を生んできた教育システムでは限界があります。本セミナーでは、「今までのやり方と古い常識にとらわれずに自分で考え、自分で行動することができる」人材を育てる一つの試みとして、私塾の可能性に注目します。新しい時代に即した私塾とは?茂木氏と波頭氏が議論します。


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