記事・レポート
宋文洲さん、チャイナリスクとどう向き合えばいいですか?
中国経済を捉える~日本企業のこれから~
BIZセミナー政治・経済・国際
更新日 : 2012年07月12日
(木)
第6章 コンプライアンスより人治

宋文洲: 「中国は人治国家だ。ルールがコロコロ変わるからやっていられない」と、皆さんよくおっしゃいますが、おっしゃる通り、人治国家です。私たちは正義のために外国に出かけるのではありません。利潤のため、建前は「お客様に喜んでもらう」ということですが、お客様に認知してもらい、買ってもらうために出かけるのです。
ビジネスは人治です。昔から「ヒト・モノ・カネ」と言うでしょう。コンプライアンスなんてくだらない。オリンパスはコンプライアンスが悪いとは誰も思っていないでしょう。だって、あの会社はコンプライアンスを人一倍やっていましたからね。コンプライアンスじゃなくて、人間がダメなんです。
誤解のないように言っておきますが、今の中国人の仁と義がうまくいっているとは全然思いません。日本人に及びません。でも、最後の最後は人間なんです。仁と義は、ルールでできますか?
私がソフトブレーンにいたときは、社内で不倫する社員なんていませんでした。私は、そんなことした社員は殺していたからね。社長に「俺が全部責任を取る。この一線を越えたら、俺は命を懸けてでもお前を殺すぞ!」という気概がないと、法律も何の意味もないんです。
ビジネスマンが外国に出かけるときは、政治家やマスコミと同じような思想でものを考えてはあかんのです。
ビジネスは人治です。昔から「ヒト・モノ・カネ」と言うでしょう。コンプライアンスなんてくだらない。オリンパスはコンプライアンスが悪いとは誰も思っていないでしょう。だって、あの会社はコンプライアンスを人一倍やっていましたからね。コンプライアンスじゃなくて、人間がダメなんです。
誤解のないように言っておきますが、今の中国人の仁と義がうまくいっているとは全然思いません。日本人に及びません。でも、最後の最後は人間なんです。仁と義は、ルールでできますか?
私がソフトブレーンにいたときは、社内で不倫する社員なんていませんでした。私は、そんなことした社員は殺していたからね。社長に「俺が全部責任を取る。この一線を越えたら、俺は命を懸けてでもお前を殺すぞ!」という気概がないと、法律も何の意味もないんです。
ビジネスマンが外国に出かけるときは、政治家やマスコミと同じような思想でものを考えてはあかんのです。
宋文洲さん、チャイナリスクとどう向き合えばいいですか? インデックス
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第1章 「いいものが売れる」というのは勘違い
2012年07月03日 (火)
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第2章 戦後の日本の成功事例は捨て去れ
2012年07月05日 (木)
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第3章 日本で痛い目に遭っている人は、中国に行かないほうがいい
2012年07月06日 (金)
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第4章 なぜ日本企業は中国に過大な期待をするのか?
2012年07月09日 (月)
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第5章 ビジネスパートナー選びの難しさは、中国も日本も同じ
2012年07月10日 (火)
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第6章 コンプライアンスより人治
2012年07月12日 (木)
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第7章 グローバル・スタンダードより、その国のスタンダード
2012年07月13日 (金)
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第8章 日本はたいして豊かじゃないし、格差は必要
2012年07月17日 (火)
該当講座
宋文洲 (ソフトブレーン株式会社 創業者)
宋文洲(ソフトブレーン株式会社創業者)世界経済に多大なインパクトをもたらす中国経済を捉えることは、欧米諸国、そして日本にとって重要な課題です。ソフトブレーンの創業者であり経営コンサルタント、経済評論家として中国ビジネスに造詣が深い宋氏をゲストに迎え、中国の今を伺います。
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