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「ガッツリ」にがっくり~すてきな日本語!?~

読みたい本が見つかる「ブックトーク」

カフェブレイクブックトーク
更新日 : 2011年08月02日 (火)

第4章 現代日本語チェック、日本語のコツ

六本木ライブラリー ブックトーク 紹介書籍

澁川雅俊: 『日本語 鵜の目鷹の目烏の目』(川本信幹)という本があります。ごく最近(2010年8月)出版されたもので、日本語の乱れに徹底している本です。著者は日本語検定委員会理事・研究主幹という日本語の番人として、人々が普段何気なく使っているコトバはもとより、作家たちの文章表現などにも冷静な眼を向けて検証しています。もっとも検証とはいっても、国語学の論文ではなく、エッセイで、非常に読みやすく書かれています。

『みんなでニホンGO!オフィシャルブック』(NHK「みんなでニホンGO!」制作班)もまたその線上にある本でしょう。これはコトバ、とりわけ正しい日本語の普及に実質的に中心的役割を果たしてきたNHKで放映されている『みんなでニホンGO!』という番組の内容を本にまとめたものです。この書名の表記が適性かどうかはさておき、例として、最近の若者コトバ、<「ヤバイ」はおいしいの? まずいの?>の項目などを読むと、「なるほどね」とうなずかされます。

『日本語のコツ』(中村明)は、国語学者が、文字、音声、語彙、文法などを超えて、豊かな人生を送るためのコトバの技を伝えようとしています。いわく、曖昧さや誤解を招く表現を防ぐためにどうすればいいか、無理なく無駄なく丁寧語を使うにはどうすればいいか、ちょっとした心遣いを手紙に書き含めるにはどうすればいいか、洒落た会話を楽しむにはどうすればいいか、などなどです。

もっと直接的に上手な日本語のハウツーを狙った本もあります。『話す・書く・伝えるが驚くほど上達するコツ』(神岡真司)がそれで、この本は、日本語の使い方というよりは、職場や取引での効果的なビジネス・コミュニケーションのためのハウツーです。この本には「誰もが納得するモノの書き方・話し方」という副題が付けられていますが、ビジネスにおいて何人かの競争相手があるなかで自分に有利にことを進めるための『コトバの戦略的思考』(梶井厚志)というものもあります。これには「ゲーム理論で読み解く「気になる日本語」」と副題されていますが、先に<日本語の乱れ>で取りあげられているコトバや言い回しがビジネスの世界でどう矯正され、どう使われるかを解説しています。

この本に私が毎日体験している問題の挨拶コトバがあります。それは「お疲れさまです」です。職場で日に何度となく鸚鵡返しのようにそう声かけされるのにうんざりし、かえって疲れてしまいます。マニュアル挨拶というのでしょうか。挨拶もできない最近の若者にせめて一つだけ職場での挨拶にこの言い回しだけは教えておこうという人事担当者の親心なのでしょうが、わたしに言わせれば、いい年をして挨拶ができないのはその人たちで、彼らは時と場所と状況を踏まえた適切な挨拶コトバを知らない、のです。

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