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環境政策キーパーソンが語る環境外交と国内政策

~『日経エコロジー』提携講座:「25%削減」への道筋

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更新日 : 2010年07月30日 (金)

第6章 経済界の心配事「国際競争力の低下」は政策で払拭する

福山哲郎氏

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福山哲郎: COP15のコペンハーゲン合意には、いろいろな批判があると思います。「take note(留意する)」という形になったので、「失敗だった」という議論もあります。しかし私はそんなに悲観していません。アメリカと中国が初めてコミットしたし、途上国に対する資金の拠出についてもメドがついたし、MRV(測定・報告・検証可能性)も一定の確保をしたからです。

私が驚いたのは「米中陰謀説」「日本孤立説」「鳩山総理の25%削減と鳩山イニシアティブは全く役に立たなかったという説」が日本のマスコミを賑わせていたことです。新聞に私が全く知らないことが書いてあったので、現地の外務省の役人を呼んで、「日本の新聞にこんな話が載っている。何か隠し事をしていないか?」と聞いたら、「何も隠していません。こんな狭いところでずっと一緒に居て、隠しようないじゃないですか」と言われました。

日本の報道には驚くことがいっぱいありましたが、どれも現場の実感とは異なった捉え方をしていました。日本を卑下することに何の国益があるのか、というのが私の率直な思いです。

主要国は(コペンハーゲン合意での約束期日である2010年)1月末に、温室効果ガス削減の目標や行動を事務局に提出しました。日本では、政府内に「地球温暖化問題に関する閣僚委員会」が発足し、副大臣級検討チームが1990年比で25%削減という中期目標達成に向け、国内排出量取引制度や途上国支援の方法などを検討しています。

そして、ここが重要なのですが、私たちは国内産業に必要以上に厳しい規制をかけて、国際競争力の低下を招くような状況にしようとしているわけではありません。多排出企業を含めて国際競争力に影響のある企業には、政策の中で配慮すべきだと思っているのです。

国内産業界の中にはCO2規制に対してネガティブな反応もありますが、経済同友会は2009年5月に「日本は先進国としての応分の責任を果たす」として、「現実的な全員参加の枠組みづくりに貢献する」と提言しました。これはまさに鳩山総理の演説と軌を一にするものです。桜井代表幹事も「国民に温暖化対策のプラス面も示して議論を深めるべきだ。財界も一枚岩ではない」という話をされています。

また、2009年の7月にはJapan-CLP(日本気候リーダーズ・パートナーシップ)が発足し、低炭素社会への移行をビジネスチャンス・次なる発展の機会ととらえる企業ネットワークがつくられています。

そして今では、私のところに様々な技術の話が入ってくるようになりました。つまり、ビジネスチャンスと考えている企業は多いのです。国内投資と将来の日本のマーケットシェアを確保していくというのは非常に重要です。政府の役割は、それを制度的にサポートすることだと思っています。

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~鳩山政権の環境政策キーパーソンが語る環境外交と国内政策~

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福山哲郎 (外務副大臣/民主党参議院議員)

福山 哲郎(外務副大臣/民主党参議院議員)
民主党きっての環境政策通である福山議員。「CO2を2020年までに1990年対比で25%削減する」という鳩山イニシアチブを草案した人物であり、国際交渉の最前線で日本の環境行政の舵取りをしています。難航するポスト京都議定書の国際交渉における日本の方針と、国内環境政策について、鳩山政権の環境政策キーパーソンに直接伺うまたとない貴重なセッションです。


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