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「水が足りない」~ビジネス戦略と地球環境~

朝日新聞GLOBE創刊1周年記念パネルディスカッション

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更新日 : 2010年08月12日 (木)

第9章 日本の食料自給率向上=地球の水ストレス減少

~パネルディスカッション【水ビジネスと国家戦略、環境とのかかわりは?】~

竹村真一氏

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梶原みずほ: 桑原さんは、環境問題の観点からビジネスチャンスはあると思いますか。

桑原洋: 大いにあると思いますが、今回の議論で、企業も反省が必要だと思いました。今集まっている40社も、まだまだ「わが社第一」なんです。環境や水は世界的に連結しているシステムですから、企業も官も政も、シンクタンクも一緒になって考えなければならない。今日の報告を40社に伝えたいと思います。

竹村真一: これから気候変動などで、21世紀には水は危機的な状況になります。しかし、「危険、危険」と言い過ぎるのも、また危険なんです。

水が足りない時代が来るからといって、「水は石油以上の希少材」という方向に行き過ぎると、「貴重な水にお金を払うのは当然。払えないやつは水が使えなくても仕方ない」となって、地球全体の水をめぐる社会状況がもっと悪化していくのです。

その傾向に歯止めをかけて、公共財としての水のガバナンスをどうデザインしていくのかという視点で、ビジネスや技術がどう貢献できるか考えていくべきです。

水メジャーのやり方は、水道料金に高値をつけて売っていくようなビジネス。そうではなく、雨水利用や節水・治水技術なども含めたトータルビジョンを出すことで、地球のウェルフェア(福祉)に貢献し得るビジネスを日本ならできる。

バーチャルウォーターに関しては、もともとロンドン大学のアンソニー・アラン教授が示した「水の少ない地域で無理に農産物をつくるより、水を農産物という形で輸入すればいい。それによって、現地の水ストレスを緩和できる」というポジティブな考え方だったのです。

ところが日本の現状は逆で、水が豊富な日本の食料自給率はカロリーベースで約40%。水ストレスが高い地域で生産された食料を、日本人が大量に輸入しているわけです。

日本が食料自給率を上げることが、食料安全保障の道であると同時に、地球の水ストレスを緩和するという地球貢献の回路であることを認識しなければならないと思います。

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該当講座

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「水が足りない」 - ビジネス戦略と地球環境 -
前原誠司 (国土交通相)
加藤千洋 (朝日新聞編集委員)
望月晴文 (経済産業事務次官)
桑原洋 (日立製作所特別顧問/海外水循環システム協議会理事長)
竹村真一 (京都造形芸術大学教授 / Earth Literacy Program代表)
梶原みずほ (朝日新聞GLOBE記者)

世界的に不足している「水」について、ビジネスと環境の視点から議論します。


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