記事・レポート
完全デジタル化がもたらすメディア変革
~これからのテレビメディアはこう変わる:日本テレビの取り組み~
更新日 : 2009年05月01日
(金)
第7章 アーカイブを活かす際、課題になる著作権

神 原: 通販とかeコマースは、ちょっと前だったら「テレビ番組と連動して」という話がよくあったのですが、そのあたりの収益性はオンラインではどうなのですか。
田 村: テレビ通販の場合は、よくフリーダイヤルやウェブのURL、あるいは携帯サイトが出ることも多いですね。放送する時間帯によっては、電話よりも、そちらの方がむしろ慣れているというか、人と話をするのを面倒くさいというのもあるでしょうし。そちらの比率が伸びているのは、時間帯によっては本当です。だから、昼前の午前中などに割と在宅している高齢者の方を対象とした通販は、今も電話が主体ですけれど、時間帯やターゲットによっては、ウェブの売上が伸びていることもあります。
神 原: 先ほどご紹介いただいた、地上波でつくっているドラマのネット版「ウェビソード」というのがありましたが、携帯電話のためだけに番組制作などにも取り組んでいらっしゃいますよね。
田 村: 進行中のものとしては、『ダブル』という企画が進んでいます。これはドコモと共同のキャンペーンでやっています。これはパソコン向けだけでなく、携帯電話だけに出すエピソードもあるんです。ウェブで最初の方は見て、後半は携帯電話の動画で見てもらおうとか。
神 原: こういったものをつくるときに「携帯電話だから」という、コンテンツをつくる側として工夫や配慮するところはあるのでしょうか。
田 村: テレビ通販の場合は、よくフリーダイヤルやウェブのURL、あるいは携帯サイトが出ることも多いですね。放送する時間帯によっては、電話よりも、そちらの方がむしろ慣れているというか、人と話をするのを面倒くさいというのもあるでしょうし。そちらの比率が伸びているのは、時間帯によっては本当です。だから、昼前の午前中などに割と在宅している高齢者の方を対象とした通販は、今も電話が主体ですけれど、時間帯やターゲットによっては、ウェブの売上が伸びていることもあります。
神 原: 先ほどご紹介いただいた、地上波でつくっているドラマのネット版「ウェビソード」というのがありましたが、携帯電話のためだけに番組制作などにも取り組んでいらっしゃいますよね。
田 村: 進行中のものとしては、『ダブル』という企画が進んでいます。これはドコモと共同のキャンペーンでやっています。これはパソコン向けだけでなく、携帯電話だけに出すエピソードもあるんです。ウェブで最初の方は見て、後半は携帯電話の動画で見てもらおうとか。
神 原: こういったものをつくるときに「携帯電話だから」という、コンテンツをつくる側として工夫や配慮するところはあるのでしょうか。

田 村: やはり、ロングショットは携帯電話には向いていないんです。なので、アップからアップへつないでいくということになりますよね。もともとテレビは映画に比べると、ものすごくクローズアップが多いですよ。携帯電話だとなおさら、ということです。
神 原: もう1つ、コンテンツのお話を。日本テレビさんもそうだと思いますが、テレビ局には膨大なアーカイブがあると思うのですけれど、そういったものをデジタル化していくときに著作権の問題などがよく言われていますね。
田 村: 特に古い番組であると、権利者が今どこにいるかわからない。NHKが(2008年)12月から開始するオンデマンドは、見逃し視聴とアーカイブの大きく2つに分けていますが、苦労されているのはアーカイブなんです。聞いた話ですが、芸能人ならまだいいのですが、一般の方だとどうやって許可をとっていいかわからないとか、そういう部分に関して、ものすごく苦労されています。
うちは結構ニュース素材は出しています。昔の報道ライブラリにあったものを引っ張り出してきたり、見ていると面白いですよ。もちろん、許諾に対して問題ないものを出しています。
神 原: もう1つ、コンテンツのお話を。日本テレビさんもそうだと思いますが、テレビ局には膨大なアーカイブがあると思うのですけれど、そういったものをデジタル化していくときに著作権の問題などがよく言われていますね。
田 村: 特に古い番組であると、権利者が今どこにいるかわからない。NHKが(2008年)12月から開始するオンデマンドは、見逃し視聴とアーカイブの大きく2つに分けていますが、苦労されているのはアーカイブなんです。聞いた話ですが、芸能人ならまだいいのですが、一般の方だとどうやって許可をとっていいかわからないとか、そういう部分に関して、ものすごく苦労されています。
うちは結構ニュース素材は出しています。昔の報道ライブラリにあったものを引っ張り出してきたり、見ていると面白いですよ。もちろん、許諾に対して問題ないものを出しています。
完全デジタル化がもたらすメディア変革 インデックス
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第1章 テレビ創世記から「完全デジタル化」までの50数年
2009年02月25日 (水)
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第2章 「アナログテレビの停波」の本当の意味
2009年03月06日 (金)
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第3章 映像メディアが分散化した時代の到来
2009年03月13日 (金)
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第4章 「タイムシフト&プレースシフト」への対応
2009年03月23日 (月)
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第5章 日本テレビのクロスメディア広告戦略
2009年03月30日 (月)
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第6章 「ひょっとすると将来、テレビないですよ」
2009年04月10日 (金)
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第7章 アーカイブを活かす際、課題になる著作権
2009年05月01日 (金)
-
第8章 インターネット広告に期待されるブランディング
2009年05月22日 (金)
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第9章 視聴者によるテレビ放送の動画アップは認められるのか
2009年06月09日 (火)
該当講座
2011年7月の地上波デジタル完全移行まで3年を切り、地上波テレビ放送業界は歴史的な大転換期に向けて、テレビメディアの新しい可能性を具現化させるべく、さまざまな取り組みを加速させています。一方では、インターネット広告の隆盛と対照的に日本におけるマスコミ四媒体の広告費は3年連続で前年を下回り、テレビ広....
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