記事・レポート
日本コカ・コーラが、ブランド価値向上にむけて展開するインタラクティブマーケティング最新事例
更新日 : 2009年03月05日
(木)
第7章 インターネットの歴史は、タイアップの歴史
神原弥奈子: 昨年から今年(2007年から2008年)にかけてのアクティビティでタイアップが非常に多かったということですが、そのコーディネーションは代理店がされているのですか、それとも御社でされているのですか?
江端浩人: 基本的に私がやっているものが多いです。ベンチャーをやっていたころから、「インターネットの歴史は、タイアップの歴史だ」と思っていまして、自社サービスだけで伸びてきたウェブというのはあまりないと思います。コラボレーションしながらお互いに大きくなっていく、Win-Winの関係をいかに構築するかというのがウェブの成長の秘訣でして、タイアップするときには、お互いのバリューで両方が良くなる形を必ずつくるようにしています。
例えばコカ・コーラで新しいサービスを取り入れ、その代わりデジタルプレミアムを優遇していただいたりしています。相手の企業さんにとってみれば、サービスがコカ・コーラに認定され、うちの会員450万人に告知されるというメリットがあり、我々にとってはいいコンテンツを手に入れられるということで、お金は発生しなくても経済的なメリットをお互いに享受できるという訳です。ウェブの中ではそういった仕組みがつくりやすいのです。ただ、仕組みだけではなくて裏のテクノロジーも分からないと、タイアップというのはなかなかできないですね。
会場からの質問: 今回のオリンピックで『MSN』とタイアップした理由は何かあるのでしょうか?
江端浩人: 「ツールバー」という新しい仕組みのご提案があったということです。ツールバーの話は、実は2007年から、何でできるか共同スタディを色々として、やっと今回のオリンピックで実現したのです。そういった技術的なことや新しい仕組みを担保して、ROIに見合うかたちで、しかもコーナーごと全部赤くできるところが他になかったということが大きいですね。
技術的にもハードルがいくつかあり、ソリューションを提供していかないと実現できないことがありましたので、ブラウザの第一人者と組ませていただいたのも理由となりました。
神原弥奈子: ビジネスプロデュースも含めて、これだけたくさんのオンラインサイトを運営していらして、消費者の方と継続して直接コミュニケーションがとれるようになっている。そうすると今、代理店さんに求めておられるものって何でしょう?
江端浩人: どう答えればいいのですかね(笑)。総合商社に勤めていた頃、「商社冬の時代」といって、メーカーさんが自ら海外に進出されることによって、貿易代行実務というビジネスモデルが崩れ始めた時代がありました。そのときにビジネスを立ち上げたり、新しい分野に進出したり、付加価値をつくっていったことで、総合商社は利益率もよくなり、そこを乗り切ったのです。
そうした経験から、まさに広告業界もそういうことが起こりつつあるのかなと思います。
実際、新しいビジネスを代理店さんがクリエイティブしている例も出てきていますが、代理店さんはタイアップのノウハウやメディアをご存知なので、リーチするための新しいメディアをつくっていただいたり、どういう所と一緒にやるのがいいとかといったことをより広いレーダーで情報提供していただけたりするということが、一番大きいと思います。
(その8に続く、全8回)
江端浩人: 基本的に私がやっているものが多いです。ベンチャーをやっていたころから、「インターネットの歴史は、タイアップの歴史だ」と思っていまして、自社サービスだけで伸びてきたウェブというのはあまりないと思います。コラボレーションしながらお互いに大きくなっていく、Win-Winの関係をいかに構築するかというのがウェブの成長の秘訣でして、タイアップするときには、お互いのバリューで両方が良くなる形を必ずつくるようにしています。
例えばコカ・コーラで新しいサービスを取り入れ、その代わりデジタルプレミアムを優遇していただいたりしています。相手の企業さんにとってみれば、サービスがコカ・コーラに認定され、うちの会員450万人に告知されるというメリットがあり、我々にとってはいいコンテンツを手に入れられるということで、お金は発生しなくても経済的なメリットをお互いに享受できるという訳です。ウェブの中ではそういった仕組みがつくりやすいのです。ただ、仕組みだけではなくて裏のテクノロジーも分からないと、タイアップというのはなかなかできないですね。
会場からの質問: 今回のオリンピックで『MSN』とタイアップした理由は何かあるのでしょうか?
江端浩人: 「ツールバー」という新しい仕組みのご提案があったということです。ツールバーの話は、実は2007年から、何でできるか共同スタディを色々として、やっと今回のオリンピックで実現したのです。そういった技術的なことや新しい仕組みを担保して、ROIに見合うかたちで、しかもコーナーごと全部赤くできるところが他になかったということが大きいですね。
技術的にもハードルがいくつかあり、ソリューションを提供していかないと実現できないことがありましたので、ブラウザの第一人者と組ませていただいたのも理由となりました。
神原弥奈子: ビジネスプロデュースも含めて、これだけたくさんのオンラインサイトを運営していらして、消費者の方と継続して直接コミュニケーションがとれるようになっている。そうすると今、代理店さんに求めておられるものって何でしょう?
江端浩人: どう答えればいいのですかね(笑)。総合商社に勤めていた頃、「商社冬の時代」といって、メーカーさんが自ら海外に進出されることによって、貿易代行実務というビジネスモデルが崩れ始めた時代がありました。そのときにビジネスを立ち上げたり、新しい分野に進出したり、付加価値をつくっていったことで、総合商社は利益率もよくなり、そこを乗り切ったのです。
そうした経験から、まさに広告業界もそういうことが起こりつつあるのかなと思います。
実際、新しいビジネスを代理店さんがクリエイティブしている例も出てきていますが、代理店さんはタイアップのノウハウやメディアをご存知なので、リーチするための新しいメディアをつくっていただいたり、どういう所と一緒にやるのがいいとかといったことをより広いレーダーで情報提供していただけたりするということが、一番大きいと思います。
(その8に続く、全8回)
※この原稿は、2008年7月24日にアカデミーヒルズで開催したオンラインビジネスセミナー「日本コカ・コーラが、ブランド価値向上にむけて展開するインタラクティブマーケティング最新事例」を元に作成したものです。
日本コカ・コーラが、ブランド価値向上にむけて展開するインタラクティブマーケティング最新事例 インデックス
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第1章 若年層の獲得に注力し、インターラクティブメディアにシフトした
2008年11月19日 (水)
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第2章 デジタルプロモーションの本格展開で、日本のPVが7倍に
2008年12月09日 (火)
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第3章 モバゲータウンとのタイアップが、若年層の獲得に大きく貢献
2008年12月02日 (火)
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第4章 メディア戦略は、ターゲットの特性に合わせて展開
2009年01月14日 (水)
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第5章 どんなにいいコンテンツでも、見てもらえなければ意味がない
2009年02月03日 (火)
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第6章 オンライン展開のメリットと運営コスト
2009年02月24日 (火)
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第7章 インターネットの歴史は、タイアップの歴史
2009年03月05日 (木)
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第8章 デジタルへのシフトによる成功と、今後の課題
2009年03月12日 (木)
該当講座
ブランド価値を高めるために、あらゆるコミュニケーション手法を展開してきた日本コカ・コーラ。2003年頃からは、世界的に導入を進めているIMC(Integrated Marketing Communications)という新たなコミュニケーション活動におけるプランニングのフレームワークのもと、オンライ....
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