記事・レポート
日本コカ・コーラが、ブランド価値向上にむけて展開するインタラクティブマーケティング最新事例
更新日 : 2009年02月03日
(火)
第5章 どんなにいいコンテンツでも、見てもらえなければ意味がない

神原弥奈子: 以前、『日経ネットマーケティング』誌の記事に書かれた「No more spray and pray」というのは、コカ・コーラの本社の方でよく言われているお話ということでしたが、マスメディアに関しては、今どういうふうな位置づけになっているのでしょうか?
江端浩人: 「No more spray and pray」というのは、アトランタ本社の役員の言葉です。「sprayして消費者に当たるのを、祈るのはやめて、プレシジョンマーケティングをしましょう」、つまり、メディアの費用対効果をきちんと見て、何に当たっているのかを見ていきましょうという意味ですね。
神原弥奈子: 『ネットマーケティング』の2回目の記事が「Rich or Reach?」でした。マスでの広告は非常にクリエイティブが重要で、大量の予算も掛けるし、完成度が大事だと言われてきました。
それに対して江端さんは「リッチな表現力より、リーチをとろうよ」と書いておられましたが、いろいろなデモを見せていただいたうえで、「やはりリッチコンテンツじゃない?」と思うのですが、それについて少しご説明いただけますでしょうか?
江端浩人: テレビのフォーマットは15秒とか30秒とか決まっていますから、クリエイターその中で一番いい表現をしようとするのは当たり前だと思います。ウェブやコミュニケーションを考えるときに、コンテンツにものすごくお金を掛けることも可能なのですが、いいコンテンツでも人に見てもらえないと意味がありません。
「これだけ予算を掛けていいものをつくった」といっても、人を集客する予算がなく、トラフィックがないというのは本末転倒だと思っています。ウェブの場合、人に来てもらう仕組みに注力した方がリーチも大きくなる、ということを言いたくて書きました。
ウェブの場合はフォーマットが特に決まっていないということと、どういうクリエイティブの反応がいいかというのは、やってみれば分かります。例えば 10の予算全部を使って1つつくってそれが外れたら、もうどうしようもない。だったら1のやつを5つつくって、あとの5は集客に回そうとかすると、その5 つの中で一番いいものを比べながら露出していけばいいので外れる可能性が少ない。そういった仕掛けとコンテンツとのバランスが非常に重要だと思っています。
(その6に続く、全8回)
江端浩人: 「No more spray and pray」というのは、アトランタ本社の役員の言葉です。「sprayして消費者に当たるのを、祈るのはやめて、プレシジョンマーケティングをしましょう」、つまり、メディアの費用対効果をきちんと見て、何に当たっているのかを見ていきましょうという意味ですね。
神原弥奈子: 『ネットマーケティング』の2回目の記事が「Rich or Reach?」でした。マスでの広告は非常にクリエイティブが重要で、大量の予算も掛けるし、完成度が大事だと言われてきました。
それに対して江端さんは「リッチな表現力より、リーチをとろうよ」と書いておられましたが、いろいろなデモを見せていただいたうえで、「やはりリッチコンテンツじゃない?」と思うのですが、それについて少しご説明いただけますでしょうか?
江端浩人: テレビのフォーマットは15秒とか30秒とか決まっていますから、クリエイターその中で一番いい表現をしようとするのは当たり前だと思います。ウェブやコミュニケーションを考えるときに、コンテンツにものすごくお金を掛けることも可能なのですが、いいコンテンツでも人に見てもらえないと意味がありません。
「これだけ予算を掛けていいものをつくった」といっても、人を集客する予算がなく、トラフィックがないというのは本末転倒だと思っています。ウェブの場合、人に来てもらう仕組みに注力した方がリーチも大きくなる、ということを言いたくて書きました。
ウェブの場合はフォーマットが特に決まっていないということと、どういうクリエイティブの反応がいいかというのは、やってみれば分かります。例えば 10の予算全部を使って1つつくってそれが外れたら、もうどうしようもない。だったら1のやつを5つつくって、あとの5は集客に回そうとかすると、その5 つの中で一番いいものを比べながら露出していけばいいので外れる可能性が少ない。そういった仕掛けとコンテンツとのバランスが非常に重要だと思っています。
(その6に続く、全8回)
※この原稿は、2008年7月24日にアカデミーヒルズで開催したオンラインビジネスセミナー「日本コカ・コーラが、ブランド価値向上にむけて展開するインタラクティブマーケティング最新事例」を元に作成したものです。
日本コカ・コーラが、ブランド価値向上にむけて展開するインタラクティブマーケティング最新事例 インデックス
-
第1章 若年層の獲得に注力し、インターラクティブメディアにシフトした
2008年11月19日 (水)
-
第2章 デジタルプロモーションの本格展開で、日本のPVが7倍に
2008年12月09日 (火)
-
第3章 モバゲータウンとのタイアップが、若年層の獲得に大きく貢献
2008年12月02日 (火)
-
第4章 メディア戦略は、ターゲットの特性に合わせて展開
2009年01月14日 (水)
-
第5章 どんなにいいコンテンツでも、見てもらえなければ意味がない
2009年02月03日 (火)
-
第6章 オンライン展開のメリットと運営コスト
2009年02月24日 (火)
-
第7章 インターネットの歴史は、タイアップの歴史
2009年03月05日 (木)
-
第8章 デジタルへのシフトによる成功と、今後の課題
2009年03月12日 (木)
該当講座
ブランド価値を高めるために、あらゆるコミュニケーション手法を展開してきた日本コカ・コーラ。2003年頃からは、世界的に導入を進めているIMC(Integrated Marketing Communications)という新たなコミュニケーション活動におけるプランニングのフレームワークのもと、オンライ....
BIZセミナー
オンラインビジネス

注目の記事
-
01月23日 (月) 更新
「アカデミーヒルズ バーチャル背景」公開中!
「書棚」「景色」「イラスト」など、アカデミーヒルズの画像を公開中!今月のバーチャル背景は、六本木ヒルズ49階「六本木ヒルズライブラリー」から....
-
01月23日 (月) 更新
CATALYST BOOKS vol.6
イベント「カタリスト・トーク」の登壇者が紹介する「理解を深める1冊」。今回は、「新記号論」を研究する石田英敬さんに3冊ご紹介いただきました。
-
01月06日 (金) 更新
新しい年、新しい場所ではじめませんか
2023年がスタートしました。今年はどんな年にしたいですか?目標を決められた方も、そうでない方も、アカデミーヒルズのライブラリーで、自分と向....
現在募集中のイベント
-
開催日 : 03月14日 (火) 18:30~21:00
≪森美術館シニア・キュレーター 近藤健一が解説!≫
本展覧会を監修したキュレーターの近藤健一と出品作家の“やんツーさん”とのアーティストトーク。現代アートへの造詣を深めた後、近藤の解説によるギ....
「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」
アーティストトーク+鑑賞ツアー
-
開催日 : 03月09日 (木) 18:00~19:30
シリーズ「五感でたどる、五感を超える日本の文化」
ロバート キャンベルさんがファシリテーターのシリーズ。第3回ゲストは、2023年に設立20周年を迎えるファッションブランド「ANREALAG....
第3回 衣服がもたらす新しい景色
-
開催日 : 03月07日 (火) 19:00~20:30
<未来を拡張するゲームチェンジャー U-35>Vol.5
ゲストは、ジャグリングパフォーマーとしての視点を切り口に、人間の根源的な好奇心を刺激する現象を追求する藝術家・小野澤峻さん。聞き手は脳科学者....
好奇心の根源に迫る〜共感が生まれる瞬間!〜