記事・レポート
日本コカ・コーラが、ブランド価値向上にむけて展開するインタラクティブマーケティング最新事例
更新日 : 2009年01月14日
(水)
第4章 メディア戦略は、ターゲットの特性に合わせて展開

江端浩人: どの様にコミュニケーションすべきかは、ターゲットである消費者がどういうメディアの接触の仕方をしているかに合わせて考えるのを基本としています。
大概の方はテレビも見るし、ラジオも聞くし、新聞も見るし、雑誌も見るし、携帯電話も見るし、パソコンも見るので、それぞれの役割をもって統合的なコミュニケーションを、クロスメディアを展開していくということです。
ブランドやプロモーションを別々に設計し、「これを全部でやるんだ」というのは、今のところありません。若者向けだったらデジタルの比率が高くなりますし、年配向けの商品であれば、テレビの比率が高くなるということです。また、消費材として毎日手にとっていただく商品ですので、なるべく身近に感じていただけるようなコンテンツというのを心掛けています。
先ほど「いつでも、どこでも、誰にでも、携帯電話でも、パソコンでも」と言いましたが、実際の購入の場でアプローチが可能な媒体は携帯電話のみのため、購入の判断をするときに消費者の近くにあるのは、「ケータイ」の大きな強みだと考えています。会員にメールを送るというメールマーケティングでも、多くのメールを発信してコンタクトをしてきました。カスタマイズもできますし、特に携帯電話のメールは開封率も高いので、有効なメディアだと思っています。
今年(2008年)手がけた、インターラクティブ展開の代表的な例を3つ紹介します。
『ジョージア』では、テレビコマーシャルで表現している世界の深堀りを行いました。具体的には"上出来"というブランドコンセプトを体験できるコンテンツとしてゲームを提供するほか、継続的なコミュニケーションを確立するため、会員登録したユーザーに対して毎朝モーニングメールとして、携帯アドレスに天気予報や占い、ニュースなどの情報を配信し、サイトに毎日アクセスしてもらうような取り組みを行いました。
『スプライト』は商品のコンセプトである「はじける」というのを、時間をかけて浸透させようという狙いです。サイト内に『ハジケル・ジャクソン』という謎のキャラクターを登場させ、彼が旅をしながらビデオを撮るというプロモーションを行って口コミの醸成を狙っていきました。
『コカ・コーラ』は今年最大のイベントとして北京オリンピックとの連携を強化させようとしています。 コカ・コーラが行っているオリンピックに関するアクティビティを集約するともに、"オリンピックと言えばコカ・コーラ"というブランドの想起をさせるために作ったのが、『コカ・コーラオリンピック応援パーク』というサイトです。
プロモーションに関する情報を盛り込むだけではなく、"オリンピック番組と一緒に見るサイト"というサイト全体のコンセプトを具現化するため、TV 番組情報を載せたり、有力ポータルのオリンピック特集ページのコンテンツを提供したり、コミュニティ機能を設けたりと、コカ・コーラの世界観の中で視聴者の方に見ていただけるような工夫をしました。また、オリンピックの情報やニュースが流れてくる「オリンピック・ツールバー」も開発し、サイトへの継続的な誘引も図りました。
メディアごとのコミュニケーションもありますが、今後はクロスメディアといいますか、同時メディア・コミュニケーションを追求していきたいと考えています。「トリプルウインドウ」と呼んでいるのですが、テレビを見ながらPCと携帯電話を操作している人にすごく便利なサイトの開発を進めています。テレビとウェブを一緒に立ち上げているときに何を出すかとか、テレビで放映しているときにウェブやケータイに何を出すかとか、そういった施策に挑戦したいと思っています。
(その5に続く、全8回)
大概の方はテレビも見るし、ラジオも聞くし、新聞も見るし、雑誌も見るし、携帯電話も見るし、パソコンも見るので、それぞれの役割をもって統合的なコミュニケーションを、クロスメディアを展開していくということです。
ブランドやプロモーションを別々に設計し、「これを全部でやるんだ」というのは、今のところありません。若者向けだったらデジタルの比率が高くなりますし、年配向けの商品であれば、テレビの比率が高くなるということです。また、消費材として毎日手にとっていただく商品ですので、なるべく身近に感じていただけるようなコンテンツというのを心掛けています。
先ほど「いつでも、どこでも、誰にでも、携帯電話でも、パソコンでも」と言いましたが、実際の購入の場でアプローチが可能な媒体は携帯電話のみのため、購入の判断をするときに消費者の近くにあるのは、「ケータイ」の大きな強みだと考えています。会員にメールを送るというメールマーケティングでも、多くのメールを発信してコンタクトをしてきました。カスタマイズもできますし、特に携帯電話のメールは開封率も高いので、有効なメディアだと思っています。
今年(2008年)手がけた、インターラクティブ展開の代表的な例を3つ紹介します。
『ジョージア』では、テレビコマーシャルで表現している世界の深堀りを行いました。具体的には"上出来"というブランドコンセプトを体験できるコンテンツとしてゲームを提供するほか、継続的なコミュニケーションを確立するため、会員登録したユーザーに対して毎朝モーニングメールとして、携帯アドレスに天気予報や占い、ニュースなどの情報を配信し、サイトに毎日アクセスしてもらうような取り組みを行いました。
『スプライト』は商品のコンセプトである「はじける」というのを、時間をかけて浸透させようという狙いです。サイト内に『ハジケル・ジャクソン』という謎のキャラクターを登場させ、彼が旅をしながらビデオを撮るというプロモーションを行って口コミの醸成を狙っていきました。
『コカ・コーラ』は今年最大のイベントとして北京オリンピックとの連携を強化させようとしています。 コカ・コーラが行っているオリンピックに関するアクティビティを集約するともに、"オリンピックと言えばコカ・コーラ"というブランドの想起をさせるために作ったのが、『コカ・コーラオリンピック応援パーク』というサイトです。
プロモーションに関する情報を盛り込むだけではなく、"オリンピック番組と一緒に見るサイト"というサイト全体のコンセプトを具現化するため、TV 番組情報を載せたり、有力ポータルのオリンピック特集ページのコンテンツを提供したり、コミュニティ機能を設けたりと、コカ・コーラの世界観の中で視聴者の方に見ていただけるような工夫をしました。また、オリンピックの情報やニュースが流れてくる「オリンピック・ツールバー」も開発し、サイトへの継続的な誘引も図りました。
メディアごとのコミュニケーションもありますが、今後はクロスメディアといいますか、同時メディア・コミュニケーションを追求していきたいと考えています。「トリプルウインドウ」と呼んでいるのですが、テレビを見ながらPCと携帯電話を操作している人にすごく便利なサイトの開発を進めています。テレビとウェブを一緒に立ち上げているときに何を出すかとか、テレビで放映しているときにウェブやケータイに何を出すかとか、そういった施策に挑戦したいと思っています。
(その5に続く、全8回)
※この原稿は、2008年7月24日にアカデミーヒルズで開催したオンラインビジネスセミナー「日本コカ・コーラが、ブランド価値向上にむけて展開するインタラクティブマーケティング最新事例」を元に作成したものです。
日本コカ・コーラが、ブランド価値向上にむけて展開するインタラクティブマーケティング最新事例 インデックス
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第1章 若年層の獲得に注力し、インターラクティブメディアにシフトした
2008年11月19日 (水)
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第2章 デジタルプロモーションの本格展開で、日本のPVが7倍に
2008年12月09日 (火)
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第3章 モバゲータウンとのタイアップが、若年層の獲得に大きく貢献
2008年12月02日 (火)
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第4章 メディア戦略は、ターゲットの特性に合わせて展開
2009年01月14日 (水)
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第5章 どんなにいいコンテンツでも、見てもらえなければ意味がない
2009年02月03日 (火)
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第6章 オンライン展開のメリットと運営コスト
2009年02月24日 (火)
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第7章 インターネットの歴史は、タイアップの歴史
2009年03月05日 (木)
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第8章 デジタルへのシフトによる成功と、今後の課題
2009年03月12日 (木)
該当講座
ブランド価値を高めるために、あらゆるコミュニケーション手法を展開してきた日本コカ・コーラ。2003年頃からは、世界的に導入を進めているIMC(Integrated Marketing Communications)という新たなコミュニケーション活動におけるプランニングのフレームワークのもと、オンライ....
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