記事・レポート

カフェブレイク・ブックトーク『「天の川」の先の先』

更新日 : 2008年10月02日 (木)

第3章 「火星に水があった」。では他の惑星は?

『ローバー、火星を駆ける—僕らがスピリットとオポチュニティに託した夢』

澁川雅俊: 今年(2008年)6月21日の朝刊に「火星に水存在証拠」(東京新聞)という囲み記事が出ました。昨年8月に打ち上げられた探査機フェニックスがこの5月 25日に火星に着陸し、NASAに送信した火星地面の掘削結果の写真からそう判断した研究者がいたのです。氷結した水なのか塩なのか最終的な結論は得られていないようですが、もし水だとすれば、火星に何らかの生物が存在していた可能性が推論できることなので、興味津々というところです。(編注:2008年 7月31日、NASAはフェニックスによる土壌を分析した結果、水を確認したと発表)

というのも、昔から、例えばH・G・ウェルズの『宇宙戦争』(1897年)のSFで火星人に親しんでいたからです。私自身も子どもの頃にウェルズの本を発端として起きた事件を題材にした映画を見ています。

『沈黙の惑星—火星の死と地球の明日』
『ローバー、火星を駆ける—僕らがスピリットとオポチュニティに託した夢』(スティーヴ・スクワイヤーズ著、桃井緑美子訳、2007年早川書房刊)は、現在のフェニックス計画の前、2003年6月と7月に打ち上げられ、翌年1月に火星に着陸した2台の火星探査車(ローバー)、「スピリット」と「オポチュニティ」の物語で、著者は、火星への熱い想いを語り、壮大な火星探査プロジェクトを実現するまでの緊迫のドラマを再現しています。

また『沈黙の惑星—火星の死と地球の明日』(ジョン・E・ブランデンバーグ、モニカ・R・パクソン著、藤倉良訳、2002年ダイヤモンド社刊)は、火星の死滅の理由を気温の上昇によって海中に含まれていた二酸化炭素の大気への暴発をきっかけと推定して、地球環境の変化の行く末を警告しています。

『惑星のきほん』
火星の他に、太陽の周りを回っている天体を惑星と呼んでいるわけですが、それら太陽のファミリー天体は、曜日の興りであったり、東西のさまざまな神話・伝説とのかかわりで私たちは昔から親しんでいます。『惑星のきほん』(室井恭子・水谷有宏著、2008年誠文堂新光社刊)はそうしたことを分かりやすく語っています。

ところでこのファミリーに冥王星があったのですが、2006年にそれが太陽系の外側を回るさまざまな準惑星と認定されて惑星から外されてしまい、ディズニー漫画『ミッキーマウス』に登場する犬のプルートに親しんできた米国の人たちを落胆させたことは記憶に新しいところです。そのことを含めそのファミリーについて、『新しい太陽系—新書で入門』(渡部潤一著、2007年新潮社刊)もやさしく解説しています。

※書籍情報は、株式会社紀伊国屋書店の書籍データからの転載です。

関連書籍

ローバー、火星を駆ける—僕らがスピリットとオポチュニティに託した夢

スティーヴ・スクワイヤーズ, 桃井 緑美子【訳】
早川書房

沈黙の惑星—火星の死と地球の明日

ジョン・E.ブランデンバーグパクソン, モニカ・R.パクソン, 藤倉 良【訳】
ダイヤモンド社

惑星のきほん

室井 恭子, 水谷 有宏
誠文堂新光社

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