記事・レポート

カフェブレイク・ブックトーク『「天の川」の先の先』

更新日 : 2008年11月05日 (水)

第6章 宇宙の始まりと終わり

『宇宙の一生—最新宇宙像に迫る』
澁川雅俊:宇宙はいま茫漠としてとらえどころがありません。何であれ私たちはそういう状態の下では落ち着くことはできません。ですからその状況がいつどのように始まったのか、どういう仕組みになっているか、どんな姿形をしているのか、終わりがあるのかなどを知ろうとします。『宇宙の一生—最新宇宙像に迫る』(釜谷秀幸著、2008年恒星社厚生閣刊)はその拡張した宇宙の構造をやさしく解説しています。

『宇宙起源をめぐる140億年の旅』(ニール・ドグラース・ダイソン他著、水谷淳訳、2005年早川書房刊)と『ビッグバン宇宙論〈上・下〉』(サイモン・シン著、青木薫訳、2006年新潮社刊)と『宇宙のエンドゲーム—誕生(ビックバン)から終焉(ヒートデス)までの銀河の歴史』(フレッド・アダムズ他著、竹内薫訳、2008年筑摩書房刊)は、宇宙の始まりと終わりに焦点を当ててその空間に存在する物質の特性について語っています。

『宇宙 起源をめぐる140億年の旅』、『ビッグバン宇宙論』、『宇宙のエンドゲーム—誕生(ビックバン)から終焉(ヒートデス)までの銀河の歴史』
それらは科学ジャーナリストによるものですが、タイソンらは、宇宙、銀河と宇宙構造、恒星、惑星それぞれの起源から地球における生命の起源にいたるまで体系的に解説しています。シンは、宇宙の起源とその構造の解明に関して、創世神話からプトレマイオス、コペルニクスにケプラー、ガリレオらを経て、ついにはアインシュタインの先へと、人類最大のその謎に迫った有名無名の天才たちの苦闘についての科学ノンフィクションを書いています。アダムらはビッグバン、すなわち宇宙の始まりから終りに至るまでのストーリーで、私たち人間の未来について想いを馳せています。

『ブラックホールを見る!』、『見えない宇宙』
『宇宙のエンドゲーム』では宇宙の終焉をブラックホールすら消滅してしまう暗黒の宇宙としているのですが、『ブラックホールを見る!』(嶺重慎著、 2008年岩波書店刊)では、何もかも吸い込んでしまうブラックホールというこれまでの認識をさらに進め、それが宇宙の動力源ではないのかという予測の下で、宇宙の終焉の後にまた新しい宇宙の起源があるのではないかという考えを示しています。輪廻転生というところでしょうか。

また『見えない宇宙』(ダン・フーバー著、柳下貢崇訳、2008年日経BP社刊)は、「この宇宙にはエネルギーを持つ見えない物質(ダークマター)に満ちている」という素粒子宇宙物理学という新しい専門分野(素粒子という超極微小な物質と宇宙という超極膨大な空間を結合する物理学)の宇宙構造論なのですが、著者は宇宙の始まりからいま現在までの時間的経過をこのように示しています。

ビッグバンを宇宙の始まりとすると、その後の数十万年間に星たちを形成するさまざまな物質(クォークとグルーオン、陽子と中性子、重水素、ヘリウム、リチュウムの原子核、水素原子など)が生まれる。そして1~10億年後に星々と銀河の形成が始まる。太陽系は90億年後に形成され、そして現在はビッグバンから140億年後になると書いています。その時間の経過は、人間の一生になぞらえると、気が遠くなるほど長いのですが、また別のものさしではそうでないのかもしれません。

『宇宙の向こう側』、『対称性』

※トーク終了後、私たちがいる3次元宇宙の先の先を見る量子宇宙の世界観を披露する『宇宙の向こう側』(横山順一・竹内薫著、2008年青土社刊)と、ノーベル賞物理学者レーダーマンが宇宙の始まりから終わりまでを追求する物理学の最前線を語りつくす『対称性』(レオン・M・レーダーマン他著、小林茂樹訳、2008年白揚社刊)の2点を入荷しました。

※書籍情報は、株式会社紀伊国屋書店の書籍データからの転載です。

関連書籍

宇宙の一生—最新宇宙像に迫る

釜谷 秀幸
恒星社厚生閣

宇宙 起源をめぐる140億年の旅

タイソン,ニール・ドグラース, ゴールドスミス,ドナルド
早川書房

ビッグバン宇宙論〈上〉

シン,サイモン, 青木 薫【訳】
新潮社

宇宙のエンドゲーム—誕生(ビックバン)から終焉(ヒートデス)までの銀河の歴史

アダムズ,フレッド, ラフリン,グレッグ, 竹内 薫【訳】
筑摩書房

ブラックホールを見る!

嶺重 慎
岩波書店

見えない宇宙—理論天文学の楽しみ

フーパー,ダン, 柳下 貢崇【訳】
日経BP社

宇宙の向こう側—量子、五次元、ワープト・スロート

横山 順一, 竹内 薫
青土社

対称性—レーダーマンが語る量子から宇宙まで

レーダーマン,レオン・M., ヒル,クリストファー・T., 小林 茂樹【訳】
白揚社

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