記事・レポート

カフェブレイク・ブックトーク『「天の川」の先の先』

更新日 : 2008年09月17日 (水)

第1章 天の川を見たのはいつのころ?

『ライディング・ロケット』

澁川雅俊:天の川を見たのはいつのころ?
時節柄七夕から想起し、こんなことをふと思いつきました。

"星明かり"ということばがありますが、その暗い中で星明かりが帰り道を示してくれていたのです。見上げれば、南天に西南から北東へとモヤーッと懸かった霞みの流れがあり、そしてその左右というのか、上下というのかにひときわ光り輝く二つの星が光っていました。

田舎道はいまでは大変立派に整備され、街灯が取り付けられています。車も頻繁に通るので夜中明るくなり、私の故郷でさえ"星明かり"は死語になってしまいました。

天の川は、二千億個ぐらいの恒星群が直径約10万光年の薄い円盤のような形をしているとされています。それは宇宙の一部で、その外側にもっともっと広大な空間があります。その空間、つまり天の川の先の先はどうなっているのか。そんな、ふとした疑問にかかわる最近の本を取りあげてみました。

少し"浮き世離れ"したテーマですが、しばし世間俗事の煩わしさから超然としてみると、かえって真新しい発見があるかもしれません。

●空のどこから宇宙になるのか

宇宙とのかかわりでいえば、人工衛星とか宇宙飛行というものが直近の空間を飛び回っています。それらは地上100kmから36,000kmぐらいまでの空間帯を行き来しています。『ライディング・ロケット〈上・下〉』(マイク・ミュレイン著、金子浩訳、2008年化学同人刊)は、一人のスペースシャトル飛行士が体験した直近の宇宙空間における命を懸けた冒険譚と、常に命を賭しているというせっぱ詰まった気持ちが地上の生活でどのように現れるかなど赤裸々に吐露しています。それは「かっこいい」ことだけではありません。

※書籍情報は、株式会社紀伊国屋書店の書籍データからの転載です。

関連書籍

ライディング・ロケット(上) ぶっとび宇宙飛行士、スペ-スシャトルのすべてを語る

ミュレイン,マイク, 金子浩【訳】
化学同人

ライディング・ロケット ぶっとび宇宙飛行士、スペースシャトルのすべてを語る 下

ミュレイン,マイク, 金子浩【訳】
化学同人

カフェブレイク・ブックトーク『「天の川」の先の先』 インデックス