記事・レポート

カフェブレイク・ブックトーク『「天の川」の先の先』

更新日 : 2008年11月17日 (月)

第7章 「我思う、ゆえに我あり」

『多宇宙と輪廻転生—人間原理のパラドクス』
澁川雅俊: 宇宙の始まりと終わりに輪廻転生などということ思い浮かべていたら、『多宇宙と輪廻転生—人間原理のパラドクス』(三浦俊彦著、2007年青土社刊)などという本がありました。「多宇宙」というのは、ここまで縷々話を進めてきた宇宙(=自然宇宙)を含めて私たち自身をとりまくあらゆるものごと、ということなのですが、それらをどう認識するかという観点から追求した本で、宇宙科学に関する本ではありません。この本で著者は、「私」のいない宇宙はありえたのか、と問い掛けています。

それは宇宙科学の本と私たちのかかわりを考える上で重要な問い掛けです。またそれは、デカルトの「我思う、ゆえに我あり」(cogito, ergo sum)を思い起こさせます。その名言は、私たち自身を中心に据え私たちの外側にあるものごとを確実に、曖昧なものを一切排除して混じりけもないように認識することの重要性を説いた哲学の命題なのですが、私たちは旧約聖書の創世記や古事記の天地開闢のころから自然宇宙とかかわりを持ち、そしてそれをさまざまに理解してきました。

『東と西の宇宙観』
『東と西の宇宙観〈東洋・西洋篇〉』(荒川紘著、2005年紀伊國屋書店刊)は、人類の発生以来、普段はあまりそう意識しないにしても、実際にはいつも一体的な結びつきを保ってきた人間と宇宙の関係を神話・伝説や宗教や哲学、そして科学的認識でとらえ、いわば私たちのふるさと探しの跡をたどっています。

※書籍情報は、株式会社紀伊国屋書店の書籍データからの転載です。

多宇宙と輪廻転生—人間原理のパラドクス

三浦 俊彦
青土社

東と西の宇宙観 東洋篇

荒川 紘
紀伊國屋書店

東と西の宇宙観 西洋篇

荒川 紘
紀伊國屋書店

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