記事・レポート

女性起業家、明日への挑戦!

「想い」から生まれたイノベーション

更新日 : 2016年03月16日 (水)

第7章 変化が起こるタイミングに事業をぶつける

本荘修二(本荘事務所 代表/多摩大学客員教授)

 
時代の波を体感し、読み解く

本荘修二: 起業を目指しながらも「どの分野を選択すれば?」と悩む人は結構多いものですが、村田さんはどのような着眼点からビジネスチャンスをつかんできたのでしょう?

村田マリ: 大前提として、私は事業家であり、事業を立ち上げて必ず成功させることがファーストミッションだと考えています。その上で事業を立ち上げる際、必ず注目することが2つあります。1点目は業界をどこにするか、軸足の置き場所を考えることです。業界や市場規模については誰もが最初に考えると思いますが、「大きいからどうにかなる」といった理由だけで起業してしまうと、大抵はうまくいきません。

重要なのは2点目、「その業界において、大きな変化が訪れるのはいつか?」です。つまり、時代の流れを読むことが、新たな事業を立ち上げる上で大切なことのほぼすべてだと考えています。

パラダイムシフトが起こるタイミングに自分達の事業をぶつけると、時代の波という大きなパワーによって事業がうまく立ち上がり、その後も強力なエネルギーに背中を押されます。変化が起きている時と起きていない時では、努力量は同じだとしても、前者のほうは巨大なエネルギーに後押しされるため、思いがけないほど事業がスケールしやすいのです。

例えば、iemoは私自身が1人のユーザーとして、時代の波を体感していたことがきっかけになりました。私には幼い子どもがいて、仕事もあり、とにかく毎日忙しかった。子育てのために家をリフォームしようと思っても、PCでゆっくり調べる余裕などなく、求める情報も非常に見つけにくかった。一方で、街を歩けば誰もがスマホを眺め、スマホで情報を得ることが当たり前になりつつあった。

そこから「近いうちに、スマホに特化した住まいや不動産のコンテンツが求められる時代がやってくる」と思ったのが、2012年のこと。おそらく2014年頃までにコンテンツを用意していれば、自ずとユーザーが集まり、様々な事業が成り立っていくと考えたわけです。この仮説を裏付けるために徹底的に調査を行い、準備を進めたところ、2013年のリリース直後からユーザー数が伸び、それが大企業の目に止まり、買収のオファーが届いた。

時代の波にたまたま乗ったとも言えますし、そのタイミングを見据えて2年前から準備していた、とも言えるでしょう。基本的に新しい事業を立ち上げる際は、先の2つを組み合わせて考えます。

本荘修二: 今のお話は、まさにWindows of Opportunityです。チャンスの窓が開く瞬間を見極めることが大切で、早すぎてもダメ、遅すぎてもダメ。往々にして巨大な組織は、小回りがきかないため、チャンスの窓が開く瞬間をつかむことを苦手としています。しかし、ベンチャーはフットワークが軽いため、それがつかみやすい。さらに事業化までのスピード感もある。それにしても、見事にタイミングを見極めた村田さんは本当にすごい。

該当講座


現代ビジネスコラボレーション「女性起業家、明日への挑戦!」(19:00~20:30)
現代ビジネスコラボレーション「女性起業家、明日への挑戦!」(19:00~20:30)

これからが楽しみな女性起業家に、経営コンサルタント・多摩大学客員教授の本荘修二氏がインタビューを行う連載「明日をつくる女性起業家」(講談社現代ビジネス)。この連載では、国内外問わず、20名以上の新進気鋭の女性起業家たちに、幼少時代から現在にいたるまで、これからの挑戦についてのお話を伺っています。

インタビュアーの本荘氏は、彼女たちには、生命力と行動力があって、やりたい!と思ったことに対して気づいたら走り出していたという共通点がある一方、独自の目線だからこその事業内容や、その進め方にも相違点があったと連載を振り返ります。

自ら問題意識を持って、行動し、世の中にインパクトを与えている女性起業家たち。

今回は、連載に登場したiemo株式会社代表取締役CEO・村田マリ氏、株式会社つ・い・つ・い代表取締役の遠藤貴子氏、株式会社和える代表取締役矢島里佳氏の3名をお招きし、本荘氏が彼女たちにそれぞれの起業家としての生き方に迫ります。彼女たちの挑戦の先には、どのような未来が待っているのでしょうか---。



アカデミーヒルズのFacebook
アカデミーヒルズのTwitter

おすすめ講座

おすすめ記事