記事・レポート

女性起業家、明日への挑戦!

「想い」から生まれたイノベーション

更新日 : 2016年02月24日 (水)

第2章 和えるはジャーナリスト集団


 
ものを通して想いを伝える

本荘修二: 矢島さんは和えるを立ち上げる以前から、伝統産業の職人さんに興味を持たれていたそうで、実際に全国各地で取材され、週刊誌の連載などでも情報発信されていましたね。

矢島里佳: 私は、大学に入る前からジャーナリストを志望していました。その頃、「自分は何を伝えたいのか?」と考えた時に思い浮かんだのが、素晴らしい技術がありながらも衰退しつつある日本の伝統産業でした。衰退の理由は様々あると思いますが、最たる要因は「多くの人が伝統産業を知らない」ことだと気づき、取材記事を通じて情報発信しましたが、それだけでは何も変わりませんでした。

なぜ「知らない」のかといえば、直接触れたことがないからです。特に、日本に生まれながら、幼少期に日本の伝統産業品に触れたことのない人達がいま、20、30代の大人になっています。そうであれば、これから親世代になる人達に響く商品を作ることで、幼少期の子ども達にも「本物」に触れる機会を提供できるかもしれない。直接触れられるものを通して、想いを伝えよう。そう考えたのです。

しかし、私が調べた限り、伝統産業の世界に子ども向けの商品を作る職人さんはいませんでした。そこで職人さんやデザイナーさんと対話を重ねながら、親世代に響く商品、子ども達に使ってほしい商品を生み出すためのしくみづくりから始めました。

本荘修二: 最近はCool Japanといって、あちこちで日本の伝統産業が発信されていますが、素晴らしい技術を紹介することと、実際に商品を買っていただくことは全く別問題ですよね。

矢島里佳: 次元の異なる話です。紹介だけで終わり、商品を買ってもらえなければ、伝統を受け継いでいくことはできません。だからこそ、伝統産業が持つ様々な魅力の「伝え方」が大切になります。和えるは、魅力を正しく伝えることまで徹底的にこだわっているため、ものづくりの会社でありながら、ジャーナリスト集団でもあるのです。

本荘修二: なるほど。和えるのように、外の世界からきっかけを提供できれば、職人さんの技術を活かすことができる。しかし、職人さんに「何か新しい商品を考えてください」と直接お願いしても、それは難しい話だと思います。

矢島里佳: 職人さんはあくまでも「技術者」です。しかし昨今は、経営やデザイン、マーケティング、プロモーションもやってください、といったおかしな流れになっています。私は大学生の頃から「ものを作ることはできないけれど、それ以外の部分は全力でお手伝いしよう」と考えており、創業からの6年間で300人以上の職人さんと直接お会いし、その想いをお伝えしてきました。現在も月の半分は全国を飛び回り、職人さんを発掘したり、新しい商品を一緒に考えたりしながら、日本の伝統を受け継ぐためのお手伝いを続けています。

該当講座


現代ビジネスコラボレーション「女性起業家、明日への挑戦!」(19:00~20:30)
現代ビジネスコラボレーション「女性起業家、明日への挑戦!」(19:00~20:30)

これからが楽しみな女性起業家に、経営コンサルタント・多摩大学客員教授の本荘修二氏がインタビューを行う連載「明日をつくる女性起業家」(講談社現代ビジネス)。この連載では、国内外問わず、20名以上の新進気鋭の女性起業家たちに、幼少時代から現在にいたるまで、これからの挑戦についてのお話を伺っています。

インタビュアーの本荘氏は、彼女たちには、生命力と行動力があって、やりたい!と思ったことに対して気づいたら走り出していたという共通点がある一方、独自の目線だからこその事業内容や、その進め方にも相違点があったと連載を振り返ります。

自ら問題意識を持って、行動し、世の中にインパクトを与えている女性起業家たち。

今回は、連載に登場したiemo株式会社代表取締役CEO・村田マリ氏、株式会社つ・い・つ・い代表取締役の遠藤貴子氏、株式会社和える代表取締役矢島里佳氏の3名をお招きし、本荘氏が彼女たちにそれぞれの起業家としての生き方に迫ります。彼女たちの挑戦の先には、どのような未来が待っているのでしょうか---。



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