記事・レポート
			
			
			
					日本型ビジネス文化の特徴とグローバルコミュニケーションスキル
				
				世界で活躍するために必須のノウハウを解説:ロッシェル・カップ
				BIZセミナーグローバル文化ビジネススキル
			
		
			
			更新日 : 2014年07月16日
				
				
				(水)
				
				
			
		
		
		
		第4章 ビジネスコミュニケーションにおける言葉への依存度
 
				
				
					
					
					
				
				空気を読む、読まない
ロッシェル・カップ: もう1つのチャートは、「言葉への依存度」に関するものです。たとえば、次のような話があります。米国人社員が日本人上司に対して新規プロジェクトを提案し、承認の可否を尋ねました。日本人上司は「それは少々難しい」とだけ答えました。これを聞いた米国人社員は、そのプロジェクトの準備に力を入れることにしたそうです。完全に誤解が生じています。
日本の「難しい」という表現には、さまざまな意味が含まれています。日本人同士であれば、成功しないだろうなどと、相手の意図を“行間から読み取る”ことができるでしょう。しかし、日本以外の文化では行間を読まず、言葉通りに解釈する傾向があります。この米国人社員は、「難しいことであれば、あえて挑戦するべきだ」と捉えたわけです。日本には「空気が読めない」「察しが悪い」などの表現があります。言語依存コミュニケーションを重視する文化では、むしろ「空気を読まない」ことが普通であり、言葉ではっきり言わなければ意思が通じないのです。
 
				
				
					
					
					
					
					出典:http://www.alc.co.jp/eng/global/gmkouza/002.html
					
					
					
					
				
				【ローコンテクスト型の文化の特徴】
チャートの左側に向かうほど、言葉に依存したコミュニケーションを重視します。すべての物事を言葉で表現し、明確に示そうとします。たとえば、「日本人上司が外国人社員に仕事の指示を出したところ、詳細な理由を尋ねられた」とき。日本人同士であれば、曖昧なコミュニケーションでも、行間を読むことで相手の意図を把握することができます。しかし、左側に位置する文化では、曖昧なコミュニケーションが当たり前ではないため、詳しい説明がないことに対して非常に居心地が悪く感じられるのです。
【ハイコンテクスト型の文化の特徴】
チャートの右側に向かうほど、言葉に依存しないコミュニケーションに頼る傾向があります。顔の表情や体の動き、声のトーンなど、非音声的なサインに注意を払うのです。また、共通の情報、文化的背景を前提にしたコミュニケーションを行うことも1つの特徴です。皆さんも会話のなかで「例の件」「あの話」といった表現を使うと思います。皆まで説明しなくても会話が成立してしまうわけです。
言語への依存度では、日本は最も右側のハイコンテクスト型に位置しています。したがって、基本的に海外の方は、日本人は「言葉が少ない」と認識しています。考えてみれば、日本は世界で最も短い形式の詩である「俳句」を生み出した国です。一を聞いて十を知る、阿吽の呼吸、以心伝心、男は黙ってサッポロビール(一同笑)……。こうした言葉は、日本文化の特徴を端的に表しています。無駄をそぎ落とすのは日本文化の特徴であると言えますが、ビジネスコミュニケーションにおいては外国人にとって理解が難しい部分となります。極端に表現すれば、超能力的なもののように感じられるわけです。
海外から見た日本のビジネスコミュニケーションの特徴をまとめると、次のようになります。
依頼する際に間接的な表現を使うため、依頼しているのかどうかさえ分かりにくいと言われています。情報共有については、依頼の背景・理由の説明が足りないことが挙げられています。日本の場合、指示を出す際に詳細な理由の説明は不要だと考える傾向がありますが、海外では「きちんと理由を述べるべきだ」という考え方が強くあります。そのため、「私の耳には入れたくないことを隠しているのではないか?」といった疑念を生みやすくしています。
また、日本では謙虚さや慎ましさが重視されることもあり、会話のなかであまりポジティブな表現を使おうとはしません。多くの外国人は、もう少しポジティブな部分についても直接話をしてほしいと考えているようです。さらに、できる限り対立を避けようとするため、普段はネガティブなことをあまり口にしません。そのせいか、ネガティブなことを言わなければならない場面に遭遇すると、勢い余って必要以上に強く表現してしまうこともあります。特に、日本は上下関係を意識する傾向が強いため、立場が下にあたる人間に対して、かなり強い表現を使うことがあります。「クライアントの日本企業に呼び出され、ミスについて数時間も責められ、非常にショックを受けた」という話も、海外では数多く耳にします。
		
			
			
			
	・依頼の内容が不明確
・積極的な情報共有が少ない、意図的に情報を隠しているのではないか?と感じる
・理由の説明が足りない
・発言のなかにポジティブな部分が含まれていない
・ネガティブなことを直接的に言わない
・ネガティブなことが入った場合、強すぎる言い方になることが多い
・積極的な情報共有が少ない、意図的に情報を隠しているのではないか?と感じる
・理由の説明が足りない
・発言のなかにポジティブな部分が含まれていない
・ネガティブなことを直接的に言わない
・ネガティブなことが入った場合、強すぎる言い方になることが多い
依頼する際に間接的な表現を使うため、依頼しているのかどうかさえ分かりにくいと言われています。情報共有については、依頼の背景・理由の説明が足りないことが挙げられています。日本の場合、指示を出す際に詳細な理由の説明は不要だと考える傾向がありますが、海外では「きちんと理由を述べるべきだ」という考え方が強くあります。そのため、「私の耳には入れたくないことを隠しているのではないか?」といった疑念を生みやすくしています。
また、日本では謙虚さや慎ましさが重視されることもあり、会話のなかであまりポジティブな表現を使おうとはしません。多くの外国人は、もう少しポジティブな部分についても直接話をしてほしいと考えているようです。さらに、できる限り対立を避けようとするため、普段はネガティブなことをあまり口にしません。そのせいか、ネガティブなことを言わなければならない場面に遭遇すると、勢い余って必要以上に強く表現してしまうこともあります。特に、日本は上下関係を意識する傾向が強いため、立場が下にあたる人間に対して、かなり強い表現を使うことがあります。「クライアントの日本企業に呼び出され、ミスについて数時間も責められ、非常にショックを受けた」という話も、海外では数多く耳にします。
日本型ビジネス文化の特徴とグローバルコミュニケーションスキル
 インデックス
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						第1章 日本型ビジネス文化は、海外からどう見られている?
						2014年07月02日 (水)
- 
						第2章 異文化コミュニケーションの基本的な考え方
						2014年07月07日 (月)
- 
						第3章 直接的/間接的なコミュニケーション・スタイル
						2014年07月14日 (月)
- 
						第4章 ビジネスコミュニケーションにおける言葉への依存度
						2014年07月16日 (水)
- 
						第5章 異文化コミュニケーションに役立つ「フィードバック」
						2014年07月18日 (金)
- 
						第6章 ネガティブ・フィードバック〜相手の行動に不満をもったとき
						2014年07月23日 (水)
- 
						第7章 ネガティブ・フィードバックの3つのステップ
						2014年07月25日 (金)
- 
						第8章 ポジティブ・フィードバック〜相手の望ましい行動を評価する
						2014年07月28日 (月)
- 
						第9章 異文化コミュニケーションQ&A
						2014年08月01日 (金)
該当講座
						Rochelle Kopp (ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社 社長)
						
						
						
						Rochelle Kopp(ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社 社長)
本セミナーでは来日するカップ氏をお招きして、グローバルにビジネスを展開する際に日本型文化が海外でどう見られており、コミュニケーションで気をつける点はどこにあるのか、ワークショップを交えながらお話いただきます。
						
						
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