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日本型ビジネス文化の特徴とグローバルコミュニケーションスキル

世界で活躍するために必須のノウハウを解説:ロッシェル・カップ

BIZセミナーグローバル文化ビジネススキル
更新日 : 2014年07月02日 (水)

第1章 日本型ビジネス文化は、海外からどう見られている?

世界を相手にビジネスを行うためには、語学力だけでなく、多様な背景や価値観をもつ人々と協働するためのスキルが求められます。ロッシェル・カップ氏は、海外進出する日本企業や日本人とビジネスを行う海外企業のクライアントを数多くもち、長年にわたりコンサルティングを行ってきました。カップ氏に外国人とのコミュニケーションにおけるポイントを詳しく解説していただきました。

講師:Rochelle Kopp/ロッシェル・カップ(ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社 社長)

Rochelle Kopp/ロッシェル・カップ(ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社 社長)
Rochelle Kopp/ロッシェル・カップ(ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社 社長)

 
外国人とのコミュニケーションは難しい?

ロッシェル・カップ: 私は長年にわたり、日本企業や海外企業に対して、異文化理解や人材育成、チーム・ビルディングなどの面からさまざまなサポートを行っています。そのなかで多くの日本人や外国人の生の声を聞いてきました。本日は、数多くの体験から見えてきたコミュニケーションのパターンについてお話ししたいと思います。

コミュニケーションは、自分の思いを相手に伝え、相手の言葉に耳を傾けて思いを理解することが基本となります。特に、日本人が外国人とコミュニケーションするうえでは、語学力だけでなく、多様な文化を受け入れるためのグローバルマインドセットが求められます。その際、「外国人は私たちとは違う」という前提に立ち、自分の言動を調整していくことが大切になります。ビジネスの場面においては、この違いに対する認識の甘さが、誤解や対立などを生み出す原因となるからです。

まずは、皆さんが日頃感じられている、外国人とのコミュニケーションにおける苦労について、お聞きしたいと思います。

会場からのコメント(1): 外国人の部下に対して、「上司や目上の人に対してはこうしたほうがいい」とアドバイスしたところ、「なぜ、そこまで配慮しなければいけないのか。同じ人間であり、本来は平等であるはず」と言われ、なかなか理解してもらえませんでした。

会場からのコメント(2): 早口で話されたとき、ゆっくり話してほしいのですが、相手の勢いに負けてしまい、なかなか切り出せません。また、仕事の指示を出すと、必ずその理由を尋ねられます。

会場からのコメント(3): 海外の方にミスを指摘しても、誤りを認めないことが多いです。また、仕事の指示をしてもその通りに動いてはくれず、勝手に行動されてしまうことが多々あります。

ロッシェル・カップ: なるほど。皆さんがお話しされた内容は、日本人と外国人のコミュニケーションのなかでよく起こる問題と言えるでしょう。その理由については、後ほど詳しく解説していきます。


海外のビジネスパーソンは、日本人をどう見ている?

ロッシェル・カップ: 異文化コミュニケーションにおいては、相手を理解することは大切です。それ以前に、自分自身について客観的に理解する必要もあります。そこで、海外のビジネスパーソンから見た日本型ビジネス文化の特徴を見ていきましょう。項目は私が仕事をするなかで頻繁に挙がる意見をまとめたものです。まずは肯定的な特徴から紹介します。
・勤勉に働く
・物事の詳細に対して細心の注意を払う
・何事にも丁寧
・衝突を避けて和のある職場環境をつくる
・情報のまとめや問題の分析を体系的に行う
・品質を大切にする

おそらく、皆さんも耳にしたことのあるキーワードが挙げられていると思います。こうした意見は、実際に海外のビジネスパーソンとの会話でも頻繁に登場します。特に衝突の少ない職場づくりを大切にする点は、「日本人と一緒に働くと、とても協力的な関係ができる」と高く評価されています。また、たくさんの情報を上手に整理して分析することが得意なこと、商品やサービスだけでなく、仕事に対しても品質を重視していることなども、海外では高く評価されています。

一方で否定的な特徴として挙げられているコメントには、次のようなものがあります。
・コミュニケーションが曖昧
・自己表現が不十分
・「ノー」を明確に表現しない
・働きすぎて、ほかの人にもそれを期待する
・上下関係を意識しすぎる
・意思決定が遅い
・必要以上に物事の詳細に注意を払う

最も多く出てくるのが、「日本人の発言は何を意味するのかが分かりづらい」という意見です。そのため、発言の背後に別の思いや考えがあるのではないかと、疑問をもつ外国人は多いようです。また、日本人はイエス/ノーを明確に表現しないことが多いため、発言の内容をどう受け取るべきか迷ってしまうといった指摘もなされています。

肯定的な特徴のなかで「勤勉さ」が挙げられていますが、一方で働きすぎではないかと指摘する声も多く挙がっています。そのため、「自分にも長時間労働を期待されるのではないか」と心配する外国人は多いようです。また、上下関係を大切にする日本の文化は、北欧やアメリカなど平等を重んじる文化の人にとっては、強い違和感を覚えるようです。

さらに、変化の激しい時代を迎えていながら、多くの日本企業はいまだに組織の意思決定のスピードが遅い、という指摘も数多くなされています。日本のように、コンセンサスを重視する文化の特徴とも言えますが、トップダウン型の素早い意思決定が好まれる文化からすれば、日本企業の意思決定は非常に時間がかかっているように見えてしまうのです。また、「必要以上に物事の詳細に注意を払う」ことについても、丁寧さが評価されている反面、「そうした点まで考える必要はない」という意見もよく出てきます。


該当講座

日本型ビジネス文化の特徴とグローバル・コミュニケーション・スキル
Rochelle Kopp (ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社 社長)

Rochelle Kopp(ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社 社長)
本セミナーでは来日するカップ氏をお招きして、グローバルにビジネスを展開する際に日本型文化が海外でどう見られており、コミュニケーションで気をつける点はどこにあるのか、ワークショップを交えながらお話いただきます。


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