記事・レポート

中田英寿×栗林隆×南條史生「伝統が開く日本の未来」

アートって、こういうことだったのか!

更新日 : 2012年05月08日 (火)

第2章 和紙の地球《Erde(エルデ)》誕生秘話

南條史生(左)中田英寿氏(中央)栗林隆氏(右)
型を木でつくっている写真
栗林隆: どういうものをつくるか、初めに3人でいろいろ話したんですけど「僕の世界観を出してほしい」ということでした。それで3.11以降の問題をはじめ「地球を内側から見直してみよう」ということで、和紙で地球をつくって内側から観る作品《Erde(エルデ)》をつくりました。藤森(洋一)さんという、徳島の和紙の工芸家さんとのコラボレーションです。

写真をパッとみると、白いのが和紙のように見えるかもしれないのですが、この段階では和紙はまだ出てきません。これはベースになる地球の型をつくっているところです。本当は発砲スチロールでつくりたかったんですけど、予算の問題で木にしました。

わざわざバナナ型に木を削って、それを組み合わせて球にしたのは、上から和紙でくるんだ後、最後に木を下の穴(※この穴が南極になる)から、スイカの中身をくり抜くような感じで抜きたかったからです。

中田英寿: 和紙で立体のものをつくるときは、普通は発泡スチロールでベースになる形をつくって、その上に和紙をくっつけて、次にそれを半分に切って、中の発泡スチロールを取り出し、最後に和紙の切断面をくっつけるんですよね。

栗林隆: そうなんです。今回、僕は(和紙を)切りたくなかったので、中身を下から抜くことにしたんです。これが運の尽きで、大変なことになりまして……。この作業をしているときだったかな、南條さんから「中田さんから、ほかのチームは出来上がっているってプレッシャーが来ているんだけど……ドローイングでも何でもいいから渡して、やっている振りしてくれよ」みたいなメールが来ました(笑)。

南條史生: ちょっとそれ、ニュアンスが違うんじゃない?(笑)

中田英寿: 本当にこのチームは一番ひどくて(笑)。ほかのチームはアドバイザリーの人が中心になって、ある程度計画的に進めていたんですけど、南條さんは「あとは栗林君、よろしく」で、和紙工房を訪ねたりミーティングしたりしてないんじゃないかと……。

南條史生: 電話、電話。電話でやっていました。

栗林隆: おかげで好きにやれたのでよかったです。

Clip to Evernote

  六本木アートカレッジ「伝統が開く日本の未来」

「なにかできること、ひとつ。」をテーマに様々な活動を続ける「TAKE ACTION」を通して、積極的に新しい価値発信を続ける中田氏。そのプロジェクトのひとつとして始まった「REVALUE NIPPON PROJECT」は日本の伝統・文化をより多くの人に知ってもらうきっかけをつくり、新たな価値を見出すことにより、伝統文化の継承・発展を促すことを目的として、気鋭の工芸作家とアーティストやクリエイターのコラボレーションで作品を作っています。今回、「REVALUE NIPPON PROJECT」2011年メンバーとして参加しているアーティスト栗林隆氏、森美術館館長南條史生氏、そして中田氏が、現在進行形のプロジェクトについて、さらに世界を知る三人から、これからの日本がつないでいくべき伝統・文化、そして新しい価値創造について語ります。


アカデミーヒルズのFacebook
アカデミーヒルズのTwitter