記事・レポート
「世界の都市総合ランキング 2011」で4位だった東京の将来性は?
~東京の磁力を回復し、優秀な人材や企業を惹きつけろ~
東京政治・経済・国際経営戦略
更新日 : 2012年04月03日
(火)
第1章 都市の“磁力”が優秀な人材や企業を惹きつける
今、世界は東京をどう見ているのでしょうか。グローバル化時代は魅力的な都市でなければ優秀な人材や企業は集まりません。「世界の都市総合ランキング2011」(森記念財団発表)をもとに、東京が解決すべき喫緊の課題と対策について、猪瀬直樹氏、グレン・S・フクシマ氏、市川宏雄氏、竹中平蔵氏が徹底討論!
ゲストスピーカー:猪瀬直樹 東京都副知事、作家
ゲストスピーカー:グレン・S・フクシマ エアバス・ジャパン株式会社 取締役会長 元在日米国商工会議所会頭
スピーカー:竹中平蔵 アカデミーヒルズ理事長 慶應義塾大学教授 グローバルセキュリティ研究所所長 森記念財団都市戦略研究所所長
スピーカー:市川宏雄 明治大学専門職大学院長 明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科長・教授 森記念財団理事
竹中平蔵: 今「厳しいグローバル競争の時代」と言われていますが、グローバル競争にはいろいろな側面があります。中でも「都市間競争」は非常に大きな側面の1つで、東京は、ソウル、香港、シンガポール、さらにはニューヨーク、ロンドン、パリなどの都市と厳しい競争をしているのです。グローバル競争は都市の競争であり、都市を強くしていかなければいけません。しかし世界を見渡しても、あるのは金融や防災といった観点からのランキングだけで、総合的な都市の力を示すランキングはありませんでした。
そこで、アカデミーヒルズの理事長に就任後、森記念財団に都市戦略研究所をつくらせていただき、最初に取り組んだのが「世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index=GPCI)」づくりでした。きょうお越しいただいた市川宏雄先生をはじめとする識者の方々のご協力を得て、2008年からランキングを発表できるようになりました。海外では非常に高い評価をいただいていますが、日本ではご存じない方が意外と多いようですので、きょうはこのランキングをご紹介しつつ、東京をよくするには何をすべきか、多面的な議論を展開したいと思っております。
まずは市川先生から「世界の都市総合ランキング 2011」からみた東京の国際競争力をお話しいただき、その後、東京都副知事の猪瀬直樹さんとエアバス・ジャパン取締役会長のグレン・S・フクシマさんとともに、4人でパネルディスカッションをいたします。
市川宏雄: 「世界の都市総合ランキング 2011」の概要をお伝えしながら、東京はどうなっているのか、今後どうなるのかといった東京の国際競争力についてお話ししたいと思います。
「世界の都市総合ランキング」はグローバルに展開される都市間競争において、魅力的な都市が優秀な人材や企業を世界中から惹きつける、いわば都市の“磁力”こそが「都市の総合力」であるという観点から、世界の主要35都市の総合力を評価しています。
一口に「魅力的な都市」と言っても、何を魅力的と感じるかは立場によって違うため、「経営者」「研究者」「アーティスト」「観光客」「生活者」という5つのグループの人々の視点から、複眼的に都市の総合力を評価しています。評価項目は「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野で、各分野には3~5個の指標があり、合計69の指標から総合ランキングを出しています。
調査は2008年から毎年実施しており、今年(2011年)で4回目になりますが、1位ニューヨーク、2位ロンドン、3位パリ、4位東京というトップ4都市の順位は、4年連続変わっていません。しかし5位以下のランキングの変動を見ると、シンガポールやソウル、香港、北京、上海などが上昇している一方で、ヨーロッパの都市は下降傾向にあります。ヨーロッパの主要都市が、アジアの主要都市に抜かれ始めているということです。
そこで、アカデミーヒルズの理事長に就任後、森記念財団に都市戦略研究所をつくらせていただき、最初に取り組んだのが「世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index=GPCI)」づくりでした。きょうお越しいただいた市川宏雄先生をはじめとする識者の方々のご協力を得て、2008年からランキングを発表できるようになりました。海外では非常に高い評価をいただいていますが、日本ではご存じない方が意外と多いようですので、きょうはこのランキングをご紹介しつつ、東京をよくするには何をすべきか、多面的な議論を展開したいと思っております。
まずは市川先生から「世界の都市総合ランキング 2011」からみた東京の国際競争力をお話しいただき、その後、東京都副知事の猪瀬直樹さんとエアバス・ジャパン取締役会長のグレン・S・フクシマさんとともに、4人でパネルディスカッションをいたします。
市川宏雄: 「世界の都市総合ランキング 2011」の概要をお伝えしながら、東京はどうなっているのか、今後どうなるのかといった東京の国際競争力についてお話ししたいと思います。
「世界の都市総合ランキング」はグローバルに展開される都市間競争において、魅力的な都市が優秀な人材や企業を世界中から惹きつける、いわば都市の“磁力”こそが「都市の総合力」であるという観点から、世界の主要35都市の総合力を評価しています。
一口に「魅力的な都市」と言っても、何を魅力的と感じるかは立場によって違うため、「経営者」「研究者」「アーティスト」「観光客」「生活者」という5つのグループの人々の視点から、複眼的に都市の総合力を評価しています。評価項目は「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野で、各分野には3~5個の指標があり、合計69の指標から総合ランキングを出しています。
調査は2008年から毎年実施しており、今年(2011年)で4回目になりますが、1位ニューヨーク、2位ロンドン、3位パリ、4位東京というトップ4都市の順位は、4年連続変わっていません。しかし5位以下のランキングの変動を見ると、シンガポールやソウル、香港、北京、上海などが上昇している一方で、ヨーロッパの都市は下降傾向にあります。ヨーロッパの主要都市が、アジアの主要都市に抜かれ始めているということです。
「世界の都市総合ランキング 2011」で4位だった東京の将来性は? インデックス
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第1章 都市の“磁力”が優秀な人材や企業を惹きつける
2012年04月03日 (火)
-
第2章 東京は経営者からの評価が低い
2012年04月05日 (木)
-
第3章 迫り来るアジアの都市
2012年04月06日 (金)
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第4章 東京の実力と将来性~水道技術と天然ガス発電所~
2012年04月09日 (月)
-
第5章 日本はグローバル競争に対する危機感が足りない
2012年04月10日 (火)
-
第6章 東京の弱点を克服する方法
2012年04月12日 (木)
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第7章 東京のブレークスルー・ポイント~例えば多様性~
2012年04月13日 (金)
-
第8章 世界に類を見ない「東京モデル」の行方
2012年04月16日 (月)
該当講座
東京の磁力を回復する
~「世界の都市総合力ランキングGPCI-2011」からみた東京の未来展望~
猪瀬直樹 (東京都副知事・作家)
GLEN S. FUKUSHIMA (エアバス・ジャパン株式会社 取締役会長 元在日米国商工会議所会頭 )
竹中平蔵 (アカデミーヒルズ理事長/慶應義塾大学名誉教授)
市川宏雄 (明治大学専門職大学院長 公共政策大学院ガバナンス研究科長・教授 )
GLEN S. FUKUSHIMA (エアバス・ジャパン株式会社 取締役会長 元在日米国商工会議所会頭 )
竹中平蔵 (アカデミーヒルズ理事長/慶應義塾大学名誉教授)
市川宏雄 (明治大学専門職大学院長 公共政策大学院ガバナンス研究科長・教授 )
猪瀬 直樹(東京都副知事)グレン・S・フクシマ(エアバス・ジャパン㈱取締役会長)竹中平蔵(慶應義塾大学教授)市川 宏雄(明治大学専門職大学院長)
東京」の磁力を回復させ世界から人々を呼び込むために、何が課題で、何をすべきかを明確にすることは、日本全体の未来を考えるうえで、必須命題ではないでしょうか。『都市総合力ランキング』という客観的データを基に、多面的な視点からの意見を交わし、日本そしてグローバル・シティ「東京」が緊急に解決すべき課題を明らかにします。
東京
政治・経済・国際 経営戦略
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