記事・レポート
			
			
			若き映画プロデューサーが語る、面白いストーリーの作り方
~『告白』『悪人』『東のエデン』はこうして生まれた~
				BIZセミナーキャリア・人文化
			
		
			
			更新日 : 2011年12月09日
				
				
				(金)
				
				
			
		
		
		
		第8章 たった1つの言葉が映画の成否を分ける
				石井朋彦: 3Dのよさは見ないとわかりません。そのため『攻穀機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D』では、劇場で3D映像に触れる機会を徹底的に増やすという戦略を立てました。
具体的には、パナソニックさんの3Dビエラの担当の方とお会いして「テレビCMでどんなに3Dテレビを宣伝しても、実際にはお客さんは3Dを体験できません。我々の映画は日本の3Dのあけぼのと言える作品です。ぜひ無償で劇場に3Dビエラを提供して、この作品の予告編を流させてください。そのかわり我々が劇場と交渉して、劇場使用料を無料にします」とタイアップをもちかけました。こうして新宿バルト9では、かなり早い段階から、チケットロビーに設置された3Dビエラで予告編が見られるようになったのです。
Googleさんともタイアップしました。GoogleさんのYouTubeには3D機能があるのですが、見るには赤青メガネが必要なんです。そんなメガネ、皆さん持っていないですよね。そこがGoogleさんの悩みどころでした。そこで「我々がメガネを用意します。だから我々の映像を特別扱いしていただけませんか」と話を持ちかけました。
なぜこういう提案ができたのかというと、原作元である講談社の月刊ヤングマガジンさんが宣伝に積極的で、しかも赤青メガネでグラビア・アイドルが立体に見えるようにして部数を伸ばしていたからです。ですので「ヤングマガジンで『攻穀機動隊』を3Dで見られる特集を組み、付録にオリジナル・デザインの赤青メガネを付けます。それを買った方はYouTubeの3D動画にアクセスするので、YouTube 3Dに注目が集まります。認知度を高める絶好のチャンスですよ」と話を持ちかけたのです。
タイアップを持ちかけるとき「この作品は神山健治監督のSFアクションです。すごいんです。やってくれませんか」と言っても興味を持ってもらえません。パナソニックさんであればテレビを売りたいわけですし、YouTubeさんなら3D動画機能を認知させたいわけですから、それと宣伝協力が結びつかなければなりません。ですので「この作品は日本人が待ち望んだ『アバター』を超える3Dです。それをテレビで独占できるのはパナソニックさんだけですよ。インターネットで独占できるのはYouTubeさんだけですよ」と言えないといけないんです。言葉の準備ひとつ違うだけで、結果は全く違ってきます。
		具体的には、パナソニックさんの3Dビエラの担当の方とお会いして「テレビCMでどんなに3Dテレビを宣伝しても、実際にはお客さんは3Dを体験できません。我々の映画は日本の3Dのあけぼのと言える作品です。ぜひ無償で劇場に3Dビエラを提供して、この作品の予告編を流させてください。そのかわり我々が劇場と交渉して、劇場使用料を無料にします」とタイアップをもちかけました。こうして新宿バルト9では、かなり早い段階から、チケットロビーに設置された3Dビエラで予告編が見られるようになったのです。
Googleさんともタイアップしました。GoogleさんのYouTubeには3D機能があるのですが、見るには赤青メガネが必要なんです。そんなメガネ、皆さん持っていないですよね。そこがGoogleさんの悩みどころでした。そこで「我々がメガネを用意します。だから我々の映像を特別扱いしていただけませんか」と話を持ちかけました。
なぜこういう提案ができたのかというと、原作元である講談社の月刊ヤングマガジンさんが宣伝に積極的で、しかも赤青メガネでグラビア・アイドルが立体に見えるようにして部数を伸ばしていたからです。ですので「ヤングマガジンで『攻穀機動隊』を3Dで見られる特集を組み、付録にオリジナル・デザインの赤青メガネを付けます。それを買った方はYouTubeの3D動画にアクセスするので、YouTube 3Dに注目が集まります。認知度を高める絶好のチャンスですよ」と話を持ちかけたのです。
タイアップを持ちかけるとき「この作品は神山健治監督のSFアクションです。すごいんです。やってくれませんか」と言っても興味を持ってもらえません。パナソニックさんであればテレビを売りたいわけですし、YouTubeさんなら3D動画機能を認知させたいわけですから、それと宣伝協力が結びつかなければなりません。ですので「この作品は日本人が待ち望んだ『アバター』を超える3Dです。それをテレビで独占できるのはパナソニックさんだけですよ。インターネットで独占できるのはYouTubeさんだけですよ」と言えないといけないんです。言葉の準備ひとつ違うだけで、結果は全く違ってきます。
若き映画プロデューサーが語る、面白いストーリーの作り方 インデックス
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						第1章 映画プロデューサーの仕事とは?
						2011年11月28日 (月)
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						第2章 流行っているものではなく、流行るものを見つける
						2011年11月29日 (火)
 - 
						第3章 映画『告白』大ヒットの舞台裏
						2011年12月01日 (木)
 - 
						第4章 上手に生きられない人間を描き続けたい
						2011年12月02日 (金)
 - 
						第5章 アニメは日本を救う? コンテンツ・ビジネスの内情
						2011年12月05日 (月)
 - 
						第6章 今、何を描くべきか。それをお客さんにどう届けるか
						2011年12月06日 (火)
 - 
						第7章 キャッチコピーは戦略的に
						2011年12月08日 (木)
 - 
						第8章 たった1つの言葉が映画の成否を分ける
						2011年12月09日 (金)
 - 
						第9章 ネット時代だからこそ、リアルなイベントが大事
						2011年12月12日 (月)
 
該当講座
						若き映画プロデューサーが語る、面白いストーリーの作り方
						
						~『告白』『悪人』『東のエデン』はこうして生まれた~
						川村元気 (東宝株式会社 映画企画部 プロデューサー)
石井朋彦 (プロダクション・アイジー プロデューサー)
各界で活躍するイノベーティブな人物をゲストにお招きする『東洋経済インタラクティブセミナーシリーズ』。今回は、『告白』『悪人』『東のエデン』など次々にヒットを生み出し、日本映画界を代表する若手プロデューサーとして注目のお二人にお話を伺います。
						
						
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