記事・レポート

天文学と占星術の不思議な関係

渡部潤一氏×鏡リュウジ氏

更新日 : 2010年07月27日 (火)

第3章 天文学と占星術の根っこは同じ

渡部潤一氏(左)鏡リュウジ氏(右)

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渡部潤一: 天文学者の開祖、物理学の神様であるガリレオ・ガリレイも、自分のホロスコープをつくっていました。当時の迷信などに対して望遠鏡や実験器具を用いて、現代の物理学的な考え方を打ち立てた人です。その人でさえ、ホロスコープを描いていたんです。

皆さんの中には、「天文学者と占星術家が対談するんだから、何かバトルが起きるんじゃないか」と期待している方もいるかと思いますが(笑)、そんなことはありません。かつては天文学を研究する人がホロスコープも扱っていました。ルネサンス以前というのは、天文学も占星術も混然一体となっていたと考えられます。

鏡リュウジ: ガリレオの著作を読むと、パトロンであったトスカーナ公のコジモ2世に捧げる序文が残されています。かいつまんでご紹介すると「天界の中で最も素晴らしい木星に守護されて生まれてきたあなたは、とても寛大な心を持っていて神に愛されている」と占星術を引き合いに出して、パトロンにおべっかを使っているんです(笑)。現代の我々からするとおもしろいというか、ちょっと不思議な天文学と占星術の関係があるのがわかります。

渡部潤一: きっと当時はあまり不思議ではなかったんでしょうね。星を見て何を想像するかというのは、一人ひとり違っていて当然だと思います。亡くなった親しい方を想う人もいれば、我々天文学者のように「あの星はどうして光っているんだろう」と考える人もいる。あるいは星からのメッセージを受けとろうと、パターンを読んで占星術をする人もいるわけです。

結局、自然や宇宙の受け取り方に「人間」というものが出ていて、そのひとつの側面が天文学であったり、占星術であったり、場合によっては宗教であったり、哲学であったりする。非常に多面的な文化活動で、それぞれが対極にあるように見えますが、根っこのどこかには同じものがあるという印象です。

鏡リュウジ: 占星術のことは英語でastrologyと言います。astroは星や宇宙のこと、logyはロゴスやロジックのことですから、「星の論理、星の学問」という意味になります。

一方、天文学はastronomyといいます。nomyの語源はnomosで、法律や法という意味があります。ですからastronomyには「天の法則を理解する、天から規範を学ぶ」という意味が含まれます。占星術と天文学は、言葉の意味からもとても近いところにあるのです。

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渡部潤一 (国立天文台副台長・教授)

鏡リュウジ(占星術研究家/翻訳家)
渡部潤一(天文学者/自然科学研究機構国立天文台天文情報センター長・アーカイブ室長・総合研究大学院大学准教授)
科学の発展とともに別々の道を歩むこととなった天文学と占星術の不思議な関係についてお話いただきます。


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