記事・レポート
常に進化し続けるトップアスリートの強さに迫る
~オリンピックの先にあるもの~
更新日 : 2010年08月27日
(金)
第7章 ソチ・オリンピックへの気持ち

石川牧子: 次はソチ・オリンピックですよね。また4年という時間がありますが、どうなさるんですか。
岡崎朋美: ソチのときは42歳です。一般的には「無理だろう」と言われていますし、体力的に厳しいものはあると思うんですけれど、「無理だろう」と言われるのを覆したいという気持ちもあって。
ただ、まだまだ考えなければいけないですね。バンクーバーが終わったときにマスコミの方たちが「もう引退だ」みたいな感じだったので、私は反射的に「このままではやめられない」とは言いましたけれど(笑)。一応続行という形をとりながら、ゆっくり考えます。
あと、主人が子どもがほしいと言っていて。私は、代わりに彼に産んでほしいという感じなんですけれど(笑)。
石川牧子: じゃあ、これからはその葛藤もあるかもしれないですね。でも、それは幸せな葛藤ですね。
42歳でソチを目指す過程で、もし強力な若い選手が出てきたら、それはそれで認めるわけですよね。よく「引き際」という言葉が使われますが、引き際についてはどうお考えですか。
岡崎朋美: そういうことは全然頭になくて。そう言われると、「ああ、そうか。引き際ってあるんだな」と思うぐらいで。あるとき知人に「引き際って大事なのかな?」って聞いたら、「いまさら引き際ってないだろう。もっと前だろう」って言われて(笑)。「そうだよな、どうしたらいいんだろう」みたいな感じでしたね。
石川牧子: それも岡崎朋美流で、きっと自然体でいくんですね。言われてみれば、別に決めることないですものね。「40歳になったら、こうしなければならない」なんて、変な話です。
岡崎朋美: そう思うんですよね。それに、やっていないことだから、やってみたいって。ただ先日、日本スケート連盟が「ソチ五輪のときに30歳以上になる選手には強化費を出さない」というような方針をニュースで発表したみたいなんです。若手を育てたいと。でも「選考会で選ばれたらソチに連れて行ってくれるんですよね?」と聞いたら「うん、それはしょうがないな」と言っていましたから(笑)、選考会をクリアしたら問題ない。
石川牧子: でも強化費が出ないというのは、おかしな話ですよね。
岡崎朋美: そうなんですよね。“らしくない”発言だったので、どうしてそういうことを言っちゃったのかなって。ちょっと残念だなと思いました。
記事をシェアする

ブログに書く
この記事のURLはこちら。
http://www.academyhills.com/note/opinion/10063007SkaterOkazaki.html
関連リンク
常に進化し続けるトップアスリートの強さに迫る インデックス
-
第1章 バンクーバーは残念だったけれど、自分を褒めてあげたい
2010年06月30日 (水)
-
第2章 「最初で最後」と思っていた、初出場のリレハンメル
2010年07月09日 (金)
-
第3章 長野オリンピック前、スラップスケートの登場に苦しんだ
2010年07月20日 (火)
-
第4章 マスコミのネガティブ評価は気にせず、覆す
2010年07月29日 (木)
-
第5章 負けたら、やっぱり「チキショー」と思います(笑)
2010年08月09日 (月)
-
第6章 パートナーと出会って、心配事がなくなった
2010年08月17日 (火)
-
第7章 ソチ・オリンピックへの気持ち
2010年08月27日 (金)
-
第8章 若手には、私を超えてもらわなければ困ります
2010年09月03日 (金)
該当講座
オリンピックの先にあるもの
~常に進化し続けるトップアスリートの強さに迫る~
岡崎朋美 (スケート・スピードスケート)
岡崎 朋美(スケート・スピードスケート)
3月のランチョンセミナーでは、バンクーバー五輪で5回目のオリンピック出場を果たし、約20年の競技人生を通じて人々に感動と勇気を与え続けてきた、スピードスケートの岡崎朋美氏をお招きします。
BIZセミナー
教養

注目の記事
-
11月21日 (火) 更新
六本木アートカレッジ
2022-2023年の六本木アートカレッジ <未来を拡張するゲームチェンジャー>」では、新しい価値を生み出す5名のゲストを招き、トークイベン....
<未来を拡張するゲームチェンジャー>イベントレポート
-
11月21日 (火) 更新
動的書房 ~生物学者・福岡伸一の書棚
目利きの読み手でもある生物学者の福岡伸一が、六本木ヒルズライブラリーのために、特別に選んだ“これだけは読んでおきたい本”“ いま読むべき本”....
-
11月21日 (火) 更新
もっとも書物らしい書物—西洋中世写本の魅力に触れる書籍案内
今回は「もっとも書物らしい書物—西洋中世写本の魅力に触れる書籍案内」と題し、手書きから印刷、そしてデジタルへと変遷してきた「書物」の歴史を辿....
現在募集中のイベント
-
開催日 : 12月13日 (水) 19:30~21:00
World Report 第6回 アメリカ発 by 渡邊裕子
いま世界の現場で何が起きているのかを、海外在住の日本人ジャーナリスト、起業家、活動家の視点を通して解説し、そこから何が見えるのかを参加者の皆....
「投開票まであと1年!米国大統領選挙を読み解く」