記事・レポート

常に進化し続けるトップアスリートの強さに迫る

~オリンピックの先にあるもの~

更新日 : 2010年07月29日 (木)

第4章 マスコミのネガティブ評価は気にせず、覆す

岡崎朋美氏

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石川牧子: 椎間板ヘルニアになられたのは、長野オリンピックで銅メダルを獲得した後でしたよね。痛みは突然やってきたのですか。

岡崎朋美: そうですね。もともと腰痛は持っていたので、ちゃんとケアしていたつもりだったのですが、疲れがたまっていたのかもしれません。ドクターに聞いたら、「手術して現役復帰するというのは、誰もやったことがないからわからない」というようなお話でした。

石川牧子: スピードスケート選手にとって、椎間板ヘルニアというのは大ピンチですよね。腰をかがめた低い姿勢で、包丁の刃のようなスケート靴で立つんですものね。

岡崎朋美: しかも滑っているときは両足滑走ではないので、あの姿勢で、必ず片足で立っているんです。なので、やはり腰への負担はすごくありますね。

石川牧子: 「手術しましょう」とお医者さんから言われたとき、すぐにイエスとは答えられなかったのではないですか。

岡崎朋美: いや、それが、私はやるって即決したんですけど、監督が悩んでいました。「復活できるかどうか」という心配をしていました。

石川牧子: 岡崎さんご自身は怖くはなかったんですか。もしかしたら、それで選手生命が終わってしまうかもしれないのに。

岡崎朋美: やってみなければわからないというのと、生まれが北海道の清里町という知床の近くで、友達が牛だったぐらい子どもの頃は野生児っぽく生活していたので(笑)、治癒力に関してはものすごく自信があったんです。傷口なんて舐めて治していました。

石川牧子: それとヘルニアとは相当違いますよ(笑)。

岡崎朋美: そうですね(笑)。でも治ることに関しては、本当にかなり自信があって。手術についても、それほど怖いという意識はありませんでした。

石川牧子: それで2000年に手術をしたのですね。完治までにはどれぐらいかかりましたか。

岡崎朋美: 3カ月ぐらいは休みました。「飛び跳ねたり、振動を与えたりしてはいけない」と言われていましたから。とは言っても氷の上なら振動はそんなにないんじゃないかと思って、ドクターに「氷の感覚だけちょっと確かめていいですか」と断ってOKをもらって、ちょっと滑ったりはしてました。でも1年間ぐらいは、「安静にしてなきゃいけないかな」と思いながらでしたね。

石川牧子: 焦りはありませんでしたか。

岡崎朋美: なかったです。一時期すごく筋肉が落ちてしまったのですが、それまでのトレーニングで培った基礎体力がありましたし、再生力のいい筋肉をしているので。

石川牧子: そして迎えたのが、2002年のソルトレイクシティ・オリンピックですね。

岡崎朋美: 手術したのがソルトレイクシティの2年前だったので、間に合うかどうかギリギリでした。オリンピックの選考を兼ねたワールドカップ前半戦のメンバーには外れましたが焦らずに、「ラスト1回の選考レースに賭けよう」と思ったのがクリアできたので、よかったです。

石川牧子: 選考漏れすると、日本のマスコミっていろいろ書くでしょう。例えば「岡崎もうダメ」とか「あの朋美スマイルはどこへ」とか、そういうキャッチが目に入ってくるかと思うのですが、正直、どうでしたか。

岡崎朋美: それはもう、マスコミの方のお仕事なのでしょうがないと思っていました。「私は私で、それを覆すように頑張ればいいんだ」という思いでやりました。それを覆すというのが、結構楽しかったんです。

石川牧子: マスコミのそうした報道に負けてしまうアスリートも少なからずいるにも関わらず。岡崎さんのモットーというのは何ですか。

岡崎朋美: 何ですかね……自然体、ですかね。特に変わったことはせずに、自分のやりたいようにやっていく。例えば今アラフォーということで体の変化もありますが、それもやっぱり面白いんです。「人間の体ってすごいな」って。そういう感じで、いつも自然体ですね。

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